第20章 LOVE×中毒
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それから数ヶ月後の事、これ迄に無い大事件が起こってしまった。朝からビックリ仰天なんだこりゃ!?
黒死牟「少々早いが、でかしたぞ!」
縁壱「兄上、私達は覚悟を決めなければなりませぬ」
まゆ「いや待って、どう考えてもおかしいでしょ!昨日までこんなじゃなかったわよね!」
千寿郎が昨日の夜から熱が下がらず、父上が朝から文珠を貰いに来たのだ。父上は現在、居間で慌てている私達を見て激怒中である
何が起きたかって?
朝起きたら私の腹が臨月になっていたのだ。お腹の赤ちゃんは元気に私を蹴っている
うん、蹴ってるのよ。赤ちゃんが
槇寿郎「手を出すなと言った筈だが……これは一体どういう事か、どっちの子なのかハッキリしろ!!」
まゆ「落ち着いてよ!説明するから…」
黒死牟「最後までは、しておりませぬ」
縁壱「私もです。ですから出来る筈がないのです」
そう、出来るわけがない。では何故か……
槇寿郎「まゆ、どうなんだ!!」
まゆ「三人とも落ち着いて聞いてね。どっちの子でもないわよ」
黒死牟「相手は誰だ、名前を言え!叩き斬る!!」
縁壱「鬼殺隊の男か…?」
なんて説明しようかしらね…この手の事は一ノ瀬の方が詳しいのだけど、生憎昨日の夜から居ない。お館様の呪の根源を探しに行ったのだった。呪の件は私がどうにかしようと思ってたけど、一ノ瀬に「お前じゃ心配だ」と却下されたのだ
まゆ「私の子でもないの…」
男性陣は『はぁっ!?』という顔をして私を見てるけど、気にせずに説明を続けた
まゆ「これはボゼといって、赤ちゃんの生命の源の様な存在なの。何かの手違いで身体から抜け出てしまって、私のお腹に宿ったみたいね。抜け出てしまったボゼは、ボゼ喰いに狙われて逃げて来たんだと思うわ」
黒死牟「赤子の魂の源…その赤子は今、身体が無い状態なのか…」
槇寿郎「どうしてまゆの中に?」
縁壱「まゆの中なら安全と云う事。魔力のおかげでボゼ喰いが近づけぬのかと」
縁壱さん正解。ボゼ喰いは私にビビってんのよ
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