第20章 LOVE×中毒
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無限城ねぇ…多分私達で言う亜空間の様な場所にあるのかしら。まぁ、今は鬼舞辻よりも、赤ちゃんを無事に身体に帰す事を考えないと
まゆ「この子すごい動くわね〜痛い位だわ」
縁壱「男子みたいだ。どちらにしろ元気に産まれると良いな」
今度は縁壱さんが私のお腹を撫でた。その顔は目を細めて口元を上げている。巌勝さんは「無事に産まれて来い…」と赤ちゃんの足付近に口付けを落とす
まゆ「もうすぐ鬼灯君が来るみたいよ。この子の身体と、お母さんが見つかったって…」
槇寿郎「良かったではないか」
縁壱「えぇ、本当に。これで安心ですね」
お迎えが来るのか…
何だろう…私達の子ではないのに凄く愛おしいの。私の中(子宮)に宿ってくれたからかな…
黒死牟「如何かしたか?寂しそうな顔をして」
まゆ「うん…ほんの少しの間だけだったけど私が…この子のお母さんだったんだもの。私、子供が居るじゃない?子供が可愛いの知ってる分あれかなぁ〜と…」
縁壱「情が湧いてしまったのだな。分からんでもない…」
巌勝さんと縁壱さんが、私を両側から抱き締めてくれる
槇寿郎「俺の孫か…うむ、そう考えると寂しいな…」
まぁ違うけど、父上がそんな事を言うから思わず泣いちゃったわよ。本当の孫は、もう少し待ってね!
縁壱「泣くな…この子が帰り難くなってしまう」
黒死牟「いつか来るさ。私達の子が、まゆの腹にな…」
まゆ「うん、泣いてちゃいけないわね」
私は二人の腕の中で、グッと悲しみを堪えながらお腹を撫でていた。『どうか、この子に幸せな未来が訪れますように』なんて願いながら…
槇寿郎「もう大丈夫だな。早く千寿郎を治してやらねば…すまんが文珠をくれ」
まゆ「一応、四つ渡すわね。家族に感染ってるといけないから」
槇寿郎「ありがとう。またな!」
父上が私の腹を小さく撫でてから「まだ作るなよ」と、念を圧してから帰って行く
黒死牟・縁壱「頑張ります…」
まゆ「わかってるわよ!」
それから程なくして迎えが来て、ボゼは自分の身体に帰って行った
数日後に鬼灯君から連絡が有り「赤ちゃんは無事に産まれた」と聞いた私達は父上を呼び、盛大に祝盃を挙げたとさっ
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