第20章 LOVE×中毒
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まゆ「実弥さぁ、いつもより素直よね」
実弥「ハァ?馬鹿かテメーは!俺は何時でも素直なんだよォ」
全く思春期の坊やは…目が泳いでるわよ!本当、困った子ねぇ
まゆ「あら、そぉ?なら良いけど!」
実弥「わかりゃぁー良いんだよォ!それよりよォ、継国さんっつったけか」
黒死牟「そうだが…」
実弥が『さん』付けした!?天変地異が起こるのかしらねぇ。怖いわぁー
実弥「どうしたらアンタみたいに強くなれるんだァ、どうしらさっきのアンタみたいに速く鬼に辿り着く!!」
先輩にアンタを連呼…キレられても知らないわよ?
黒死牟「強くなりたいのであれば、全集中常中を覚える事だ…先ずは全集中からだがな……」
実弥「どうしたら出来るのかを教えてくれっつってんだよォ!」
まゆ「口の聞き方。私には良いけど他の人にはダメよ」
実弥は「チッ…」と舌打ちをする。巌勝さんは実弥に目線を向けると、考える素振りを見せた
実弥「すまねェ…」
別に巌勝さんは怒ってはないみたいだけど、何か思う所はあるみたいね
巌勝「全集中とは…」
巌勝さんが実弥に全集中と全集中常中の事を完結に説明した。実弥は食い入るように話を聞いている
私は二人の傍らで見守っているけど気が気じゃない。実弥の性質上、誰にでも食って掛かるからね!今迄どんだけフォローしたがわからないわよ。胃に穴が開くっちゅーの
巌勝さんって正直言うと本来は気が長い方ではなくて、どっちかって言うと痩せ我慢タイプみたいな?学び舎のクラスに一人は居るような、キレたらヤバい優等生みたいな感じだからヒヤヒヤするわ
実弥「それが出来たら、俺は継国さんみたいになれんだよなァ?」
黒死牟「少なくとも近づくだろう。精進…する事だ…」
また『継国さん』って言ったわ。私にも、そのリスペクト的なものを一欠片で良いからして欲しいわ
実弥「わかった。ぜってェにアンタより強くなってやるからなァ!!」
実弥が巌勝さんに捨て台詞的を言いながら、凄い勢いで走り去って行った
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