第20章 LOVE×中毒
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まゆ「表情が明るいわね、良い事だわ。私が文珠を使わないと巌勝さんと渡り合えないから、拗ねてるっていうのに!」
黒死牟「まぁ、そう言うな…そのうちに魔力も文珠も無しで出来るようになる…昔に言っていたな『女だから腕力や体力、全て男に劣っているが、それで腐った事は無い。私は私、他の何者でもない』と。そんなまゆだからこそ、やり遂げられると思う」
もぉー、上手いんだから!
まゆ「それなら、とことんまで付き合ってもらうわよ?」
私はそう言って巌勝さんに不敵な笑みを見せた。心配だなんて言わせない位に強くなってやるんだから!魔力も使える所で使うけどね
黒死牟「姫君の仰せのままに…」
巌勝さんが跪き、座り込んでいる私の手の甲に口付けを落とした
まゆ「王子様みたいね」
黒死牟「姫には王子が付き物だろう?私はまゆのもの…。お前が望むのならば、何でもなろうぞ。縁壱でも同じ事を言うだろうな」
まゆ「こんな優しくて格好良い王子様は巌勝さんと縁壱さんしか居ないわ。御伽話の王子様や男性主人公って、実は性格や顔が残念なのが多いからねぇ。会ってみたら、うわぁ〜ってなるのが多かったわ…金太郎君は良い子だったけど(笑)」
黒死牟「知っているだけに辛辣だな…」
まゆ「桃太郎君は改心して、今は一生懸命に薬学を学んでるわ♪」
黒死牟「桃太郎とは鬼を倒した桃太郎か…?時代的には私達とそう変わらぬ故に親近感があるな」
物語が成立したのが室町時代の末期辺りで、私達が生きていた時代ではあるけど桃太郎君が鬼退治をしたのは、もう少し前なのよね。しかも鬼の種類が違う
まゆ「まぁね、病原菌等を振りまく鬼と人喰い鬼の違いはあるけど、私も親近感を持ったわ♪」
黒死牟「ほぉ、会ってみたいものだな。まゆ、膝に乗れ…くっきたい」
まゆ「私も巌勝さんとくっつきたいっ」
合わせた唇、私を抱きしめる腕、私の胸を擦る手…何もかもが愛おしいの
んっ……………擦る!?擦ってるよね
まゆ「擦らないで揉んでよ」
黒死牟「……すまない、質量的にそう思うかもしれぬが…私は揉んでいるつもりだ………」
擦るとか自分で言いたくねーわ!
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