第17章 大正恋物語【煉獄家】
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接吻したいなぁ…してくれなきゃ寂しくて泣いちゃうよ?
縁壱「それは駄目だと思う…」
まゆ「私の事、愛してないんだ…」
縁壱「愛してる」
まゆ「なら口付け位してよ…不安になる」
これじゃまるで面倒くさい女よね。自覚はしてる
けど、口付け位は良いでしょうが!何も最後までシてって言ってるわけじゃないんだから…
私は縁壱さんを恨みがましく見つめ「四百年前は三歳の私に深い口付けした癖に…」とボソッと呟いてみる
縁壱「……軽くだぞ?」
まゆ「うん♡」
『チュッ』というリップ音と共に、私の唇に柔らかいものが押し当てられる
あっ♡これだけで気持ちイイ
まゆ「今回も初の口付けは縁壱さん♪」
縁壱「そうだな。まゆ、愛してる…沢山言ってきたが、言い足りない…」
まゆ「私もよ!」
縁壱「呼んでくれたら直ぐに行く、まゆが………?」
父上が任務から帰って来たのね。私の様子を見に来たんだわ
まゆ「父上ね…」
縁壱「今宵は帰るとしよう。また来る…」
まゆ「うん、ま…///縁壱さん…」
そう言って縁壱さんは、私に口付けをしてソルと共に消えていった。私は不意打ちの口付けに、不覚にも頭がボーっとしてしまう。この、脳が甘く痺れる様な感覚が堪らないのよね
槇寿郎「起きていたのか。具合は如何だ?」
父上が部屋に入って電気を点けた事も気が付かず、先程の口付けの余韻を感じている
槇寿郎「おい、まゆ!」
まゆ「えっ?あ…ごめんなさい、気が付かなかったです」
槇寿郎「顔が赤いが、熱が出てしまったのか?」
気が付かれてないみたいね…縁壱さんは気配消すの上手いから助かったわ
まゆ「そうみたいです…父上、ご心配お掛けして申し訳ありません。任務お疲れ様でした」
槇寿郎「気にせずとも、親は何時でも子の心配をするものだ。ほら、布団をしっかり掛けて寝なさい」
まゆ「はい、おやすみなさい(そう言えば、子供達は大丈夫かしら…)」
父上は「おやすみ」と言い電気を消して私の部屋から去っていった
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