第17章 大正恋物語【煉獄家】
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グラウ「グゥ」
まゆ「待たせてごめんね。早速だけど縁壱さん呼べるかな?」
グラウは「グァっ(御意)」と返事をすると、縁壱さんに持たせてある使い魔、ソルに連絡をとっている様だった
まゆ「ありがとうねグラウ」
魔族体なら直接ソルに念波も視界も繋げられるけど、今は人間の身体だから出力が下がってるのよね
ソルが現世に居るならまだしも、神魔界や地獄や天国にまで力は及ばず、それは出来ない。例えキャパシティを増幅しても無理だと思う
まゆ「中々不便ね…」
そして、今は私のアストラルサイド(精神世界)には、グラウ一体しか置けないのも何だかなぁ…
暫くするとソルが縁壱さんを連れてやって来た。やっと会えた!私の超絶愛する旦那様♡
縁壱「まゆっ、真に会いたかった…」
まゆ「私もよ♡」
縁壱さんは、私を軽々と膝に乗せて抱き締めてくれた。久しぶり過ぎて鼻血でそう!
縁壱「頑張っておるみたいだな、全集中常中が既に出来ている」
まゆ「あら、意識してなかったわ」
前回も幼い頃から全集中常中はしていたし、魔族に戻ってもしていたから、全集中常中は私の一部なんだよね。魔力によって身体も強化されているから、これ位は練習要らないのだと思う。多分だけど…
縁壱「まゆは愛らしいな…」
まゆ「縁壱さんは相変わらず格好良いわ♡ねぇ、久しぶりに口付けして♪」
私は唇を、んーってして目を閉じる。先ずは再開の口付けでしょ?
暫くしても重ならない唇。痺れを切らす私
そっと薄目を開けて縁壱さんを見ると
アレぇー何でピシッて音を立てて固まるの!?
まゆ「縁壱さん…何で…私とはもう嫌なの?他に好きな人出来た?」
縁壱「そんなわけ無かろう、私が愛するのはまゆだけだ。しかし…今のまゆに口付けをするのは些か問題が有るというか…悪い事をしている気分になる…」
随分と歯切れ悪いわね…
ん?今の私ですって!?………………五歳児ですねハイ
まゆ「今こんな姿でも、永い事生きてきた魔族なのよ?モラルとか世間体とかゴミの日に捨ててしまいなさい」
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