第16章 私の我儘【天国地獄魔界編】
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雅勝・理壱「「風呂上がりましたぁー」」
蓮実「ピカピカよー♪」
縁壱「ちゃんと頭拭けたみたいだな、偉いぞ蓮実」
まゆ「面倒見が良い子達で助かるわ」
美月「雅勝、理壱ありがとうね!お姉ちゃん助かったわ♪」
雅勝と理壱は嬉しそうに「「えへへっ」」と言い、頬を人差し指で掻く。二人のタイミングが被って面白いやら可愛いやらと、大人組はニコニコと見ていた
美月「明日も仕事だし、蓮実が湯冷めしないうちに帰るね!」
蓬「お邪魔しました、家にも是非遊びに来てください!」
縁壱「あぁ、そのうちに寄らせて貰う」
まゆ「気をつけて帰りなさい。またね!」
蓮実「蓮実は帰らないよーだ!!」
蓮実は蓬に抱っこされて朧車に乗るまで「うわぁ~ん!蓮実は、じぃじとばぁばと、お兄ちゃん達と住むの!帰らないぃ!」と泣いていた。心なしか雅勝と理壱も寂しそうに手を振っていたのだった
まゆ「さっ、縁壱さん寝ましょう。寂しいのはわかるけどさ!」
縁壱「いや、幸せだなぁと…」
まゆはクスッと笑い、縁壱の腕に絡みつく
まゆ「そして縁壱さんはこう考えている。兄上も居たのならばと…」
縁壱「鋭いなまゆは…。しかし、言っても仕方あるまい」
まゆ「そうね、口に出した所で何も変わらないわ。でも人界に行くチャンスが有れば首輪付けてでも連れてくるわよ」
縁壱「チャンスなどあるのか?」
どういう時ならば、まゆが人界に降りられるのかが縁壱には分からない。実を言えばまゆ自身も、この先降臨の許可が下りるかは自信がない
まゆ「一つ言えるのは、鬼舞辻無惨との戦いが激化しそうとかならば、また人になるっていう手はあるわ。勿論記憶と魔力が有る前提でね…。それ以外で前例が有るのは、他の魔王クラスが勝手に降臨して何かをヤらかした時に捕まえる為かしらね」
縁壱「前例とは?」
まゆ「六百年位前かしら、アシュタロスって知ってるでしょ?アシュタロスが京の都でヤらかしたのよ。それで、私が捕まえに行ったの。因みに一ノ瀬は、その時に陰陽寮の頭だったの」
まゆの部下である一ノ瀬は、一等霊能が栄えた平安の世で陰陽寮の頭であり、超一流の陰陽師だったのだ
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