第16章 私の我儘【天国地獄魔界編】
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蓬は、義父や義母に迷惑にならないか気になっているのだ。自分の所と一緒で、赤子が産まれたばかりの家庭なのだと考えると、気が引けるのは当然と言えよう
縁壱「飯と風呂位なんともない故に気にするな、娘夫婦と孫が迷惑になる筈がなかろう。蓬君は少々気を使い過ぎだ」
蓬は「はい、お世話になります!」と、申し訳なさそうに返事をした。本当に負担にはならないのだ。まゆの立場上、家事をするわけがないのだから
まゆ「蓬君。家事は使用人がするから私は何もしてないのよ。だから遠慮しないでちょうだいね!ねー、縁壱さん♡」
縁壱「そうだな。偶にはまゆの手料理を食べたいのだが…」
美月「お母さんって基本的には、ぐぅたら嫁だからね〜。蓬君、本当に気にしなくて良いから(笑)」
まゆは美月の言葉に大打撃を受けている。『むぅ…』としながら縁壱に抱きついて、紛れもない事実を暴露してしまう事になる
まゆ「使用人や縁壱さんの方が、家事上手いのよ…………」
まゆの切実な暴露に、蓬は「美月ちゃん、王なる者は忙しいのが当たり前だよ」と、フォローを入れた。まゆからの評価は、爆上がり中である
暫く談笑していると庭から「じぃじー!ばぁばー!」と可愛らしい声が聞こえてくる。雅勝と理壱は、こちらに走り出した蓮実の後を付いて歩き、すっかり『お兄ちゃん』が板についている
蓮実「一緒に遊ぼうよー!」
縁壱「んー、何して遊ぶのだ。じぃじは最近の遊びを知らぬぞ?」
蓮実は城の中に入ると、縁壱の膝に乗って一生懸命考えている仕草を見せた。これには縁壱とまゆも「「愛い!!」」と叫んでしまった
蓮実「んーとね、蓮実は双六したい!」
縁壱「それなら、じぃじも分かる」
まゆ「雅勝、理壱!双六持ってきて〜」
雅勝「何の双六にしようか…」
理壱「兄上、女子向けのが家には有りませぬが…アレ持って来ましょう」
雅勝は「あぁ、アレか……」と言い、理壱と共に部屋に向かった。持って来た双六は【痛快!!亡者を呵責せよ〜獄卒の心得〜】である
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