第16章 私の我儘【天国地獄魔界編】
・
彼氏紹介から半年後に、美月と蓬の祝言が盛大に行われたのだった。更に三ヶ月後には赤子を授かり、産まれた赤子は蓮実(はすみ)と名付けられる。蓮実が産まれた瞬間から、ジィジとバァバはメロメロである。更に三年後にはもう一人産まれ、四人家族になっていた
そして、美月が二人目の出産を終えて城(実家)に帰って来ると、何と美月の妹が誕生していたのである。豆に連絡は取り合っていたが、会うのは実に一年二ヶ月ぶりだった
まゆ「寿命無いって、こんな事もあるのねーw」
縁壱「孫と子供が同じ歳とは凄いな…」
美月「ありだわ、妹可愛い。っていうか合わせた?お母さんは種があれば妊娠自由自在だもんね」
蓬「美月ちゃん、流石に合わせたとかは無いと思うよ?地獄や天国じゃよくある話だし」
縁壱とまゆの子の方が二ヶ月弱早いので、合わせたのは無い。妊娠を言わなかったのは、会った時にビックリさせたかった為であり、決して言い忘れてたわけではないらしい
まゆ「陽縁(ひより)、あなたの甥っ子の芒(ススキ)君よ〜」
縁壱「二人共可愛いな…」
因みに美月の最初の子である蓮実は、雅勝と理壱が庭で面倒を見ている
美月「そういえばさ、雅勝は本当の父親に会いたくはないのかな〜。黒死牟伯父様は、お母さんが魔族だという事も雅勝の事も知らないわけじゃん?でもいつかはね〜」
蓬「デリケートな話だから今は…ね!」
縁壱「美月から聞いてみたら良い」
まゆ「お父さんも、お母さんも、雅勝が会いたいなら反対はしないわよ」
蓬の言う通りデリケートな問題故、雅勝が言い出さない限りは縁壱とまゆは話題に触れない事にしているのだった。しかし美月が聞く分には良いだろうと思っている
美月「うーん…今度きいてみるわぁ」
まゆ「そうしなさいな!」
縁壱「成るようにしか成らぬ」
蓬「そうですよね。お義父さんの言う通りです」
親達がそんな話をしている間にも、子供達の楽しげな声が聞こえてくる。縁壱とまゆは子供と孫が可愛くて仕方がないようで、口元を上げて目を細めている
まゆ「そう言えば美月、夕餉食べて行くわよね?」
美月「風呂も入ってくよー」
蓬「ご迷惑にならないかな…」
・