第16章 私の我儘【天国地獄魔界編】
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まゆ「ごめんなさいね〜主人ったら拗ねちゃってるみたいで…もう直ぐ来ると思うわ!」
蓬「いえ、大丈夫です。娘さんが大事なんですよね」
美月「度が過ぎてるけどね…」
噂をすれば影とはよく言ったもの。まゆの言う通り、直ぐに縁壱が姿を現した。蓬はバッと立ち上がり縁壱に挨拶をする
蓬「おはようございます!獄卒の蓬と申します!」
縁壱「おはよう。で、今日は何かな?」
縁壱が席に着き要件を聞き、まゆは「わかってるくせに」と呟き、溜め息をつく。美月は「蓬君頑張って♡」と、可愛らしく応援している
蓬「私は娘さんと、おつっおつ、お付き合いさせて頂いております!この度結婚をと思いまして、ご挨拶に伺った次第でございます!!おおおっ、お義父さん、娘さんを僕にくだしゃい!!」
縁壱「まだ君の、お義父さんではないのだが………まぁ、良い。娘を幸せにしてやってくれ…」
まゆ「しゃいってw可愛いわ♪」
まゆと約束をした為か、意外にあっさりとOKした縁壱。美月と蓬は手を取り合い喜んでいる
美月「やった!蓬君、幸せになろうね♪」
蓬「うん!美月ちゃんとなら幸せ通り越して天国に行っちゃうよ」
まゆ「幸せを通り越さなくても、天国は行けるわよ」
縁壱「意味が違うと思う…」
二人とも獄卒で忙しく、中々休みが合わない為に昼餉を挟み、その日の内に日取りと会場を決め、蓬は夕餉を食べて帰って行った。式場は『新・継国家』なので、式場が空いてる時間だのと云う面倒な事は無い
美月「お父さん…蓬君ってオタクだけど、本当に実直で優しい人なの…オタクなんだけどね」
縁壱「お前が決めた相手だ。お父さんは、蓬君が美月を必ず幸せにしてくれると信じてるよ」
まゆ「(蓬君のオタクを強調する必要あったのかしら…)」
縁壱は本来は邪推が出来るような男ではない。まゆに言われていたのもあるが、縁壱自身が蓬と話した感じも良かったのか、娘の選んだ男を信じようと思ったのだ
美月「ありがとう!!お父さん大好き!」
縁壱「必ず幸せになれ…お父さんも美月が大好きだ」
まゆ「フフッ、娘に大好きって言ってもらえて良かったわね♪」
縁壱は「あぁ、そうだな」と、笑った
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