第16章 私の我儘【天国地獄魔界編】
・
鬼灯はまゆに呆れた様に溜め息をつく
鬼灯「はぁー…原理もわからないでやっていたんですか」
まゆ「むっ、大概の事は術式を組めば何とかなるもの、原理なんか考えないわよ。アシュタロスとか知能派なら分かるかもしれないけど、私には絶対に無理ね!」
縁壱「凄いな、まゆは。神魔というのは皆この様な創造が出来るのか?」
縁壱にとって神魔とは未知の世界。疑問に思っていた事をまゆに質問をした
まゆ「ある程度高位の者なら出来るわよ。まぁ、悪鬼から式神とかなら陰陽師にも作れるけどね。ただし、一ノ瀬の様な超一流だったらだけど…」
鬼灯「そういえば、六道家の十二神将は、陰陽師の高島さんが悪鬼を封じて作ったんでしたね。どこぞのアホが酒に酔った挙句に、調子ぶっこいて広めた術なんでしょうけど」
縁壱「そうなのか…」
縁壱は『やはり私は、凄い子を妻にしたのだな…』と思い、まゆをジーッと見つめている
閻魔大王「鬼灯くーん、そろそろ亡者が到着するよー」
朝一発目の裁判が行われるらしく、閻魔大王が鬼灯に声をかけた
鬼灯「あ"っ?亡者が受けている呵責フルコースをしたいって?後で体験させて上げますからね。まぁ、仕方がないので仕事しますね。いつ何時でも、ボケッとウダウダしてるくせにコノヤロー!!」
閻魔大王「コノヤローって君ねぇ…偶にはワシにも、そういう時位あるよ〜酷いなぁ!って言うか、亡者が受けてる呵責フルコースをワシがされるの!?」
本当に上司に厳しい部下である。一ノ瀬が『鬼灯殿を見習わねば』と、ボソッとまゆの前で発言した時には、まゆの仕事速度が当社比三倍になったとか。それも一日だけだったので、三日坊主も出来ない上司に呆れ果てたらしい
まゆ「縁壱さん、帰りましょ♡朝から悪かったわね、娘をよろしくね!」
縁壱「そうだな、昼からは子供達に呼吸を教えねば。閻魔大王様、鬼灯様、お邪魔致しました」
縁壱とまゆは城へと帰って来た。縁壱は我が子達に剣術を教えるのを楽しみにしているのか、ずっと口元が上がっている
・