第16章 私の我儘【天国地獄魔界編】
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今は家族全員で朝餉を食べている。神魔中立地帯に爆誕した『新・継国家』の賑やかな食事風景を見てみよう
美月「私さ、月の呼吸を使うじゃん?亡者を一気に殺れるから効率が良いって、鬼灯様から絶賛されてるんだ!お給料も、たんまり頂いてるよ♪」
美月は一度閻魔庁に出勤し、屎泥処以外のあらゆる地獄を周って刀で亡者を切り刻むのである。月の呼吸は範囲が広いものが多く、当たり判定と威力が高い為に重宝されている
縁壱「美月は真に優秀なのだな。兄上の教えが役に立っておる。兄上も喜ばれるであろう」
まゆ「巌勝さんって教えるのが妙に上手いのよね〜。理壱と雅勝に其々に呼吸を教えようと思ったけど、考えてみたら私って教えるの下手なのよね。壊滅的に…」
雅勝「母上は箸の持ち方すら説明できませんからね…要領を得ない」
理壱「なので勉強や一般常識などは、一ノ瀬様が教えてくださいます。剣術は透寿郎様や緑野様が担当してくださっていますが、日の呼吸や月の呼吸は母上から教わらねばなりませぬ故、習得できる気がしないというか…」
美月「正直、私は教えられる程じゃないからね〜」
ハッキリと物をいう子供達に、まゆは少々へこみ気味だ。むぅ〜としているまゆの頭を縁壱がヨシヨシと撫でている
縁壱「ならば私が教えよう。今日は午後からになるが、二人共やってみるか?」
雅勝・理壱「「はい!!やったぁー!!」」
美月「お父さんもチビ達も嬉しそうだね♪」
まゆ「ふふっ、そうね〜親子のコミュニケーションは大事だわっ!」
縁壱とまゆは美月と行く場所が一緒なので、まゆの空間移動で閻魔庁に向かった。雅勝と理壱の勉強などは一ノ瀬が城に来て教えてくれるので、二人は自分達の部屋で待機して一ノ瀬を待つのだ
美月「鬼灯様、おはようございます!」
まゆ「おはよう。鬼灯君にちょっと聞きたい事があるのよ」
縁壱「おはようございます。朝からお邪魔致しまして大変申し訳ありません」
鬼灯「皆さん、おはようございます。もう少し時間がありますから構いませんよ。美月さんは、今日は衆合地獄の各処を周ってください。今日も貴女の呵責によって、亡者が反省するのを期待していますよ?」
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