第16章 私の我儘【天国地獄魔界編】
・
時は流れ雅勝と理壱は七歳になり、直垂姿に羽織に帯刀というtha侍になっていた。まゆと美月の教育方針らしい
理壱「兄上、楽しいですね」
雅勝「うむ!何せ初めての地獄商店街だからな!」
二人は地獄の商店街に来ていたが、母や姉には内緒である。というのも、二人は幼い頃の巌勝と縁壱に激似で痣まであるのだ、縁壱とうたが見たら確実に存在がバレる為、亡者が来ない魔界や神界以外の出入りを禁止していたのだった
理壱「まぁ、母上や姉上にバレたら少し怖いですが…父上に会ってしまうかも?」
雅勝「今更何をいっておる!男たる者冒険も必要だとルシファー様も言っておったではないか!縁壱殿に会っても遠い親戚とでも言えば納得するだろ。多分…」
姉、美月の仕事場は地獄である為にバレる可能性は高い。そして天国の住人はやることがないので地獄に遊びに来るものも多く、縁壱達が居ないとも限らないのだ
理壱「流石兄上です!」
雅勝「うむ、では気を取り直して茶屋で団子でも食べよう!あっ!あれは姉上がよく土産に買って来てくださる店じゃないか?」
二人は姉がよく買って来る団子か好きで毎回楽しみなのである。その店を見つけて一目散に走って店に入っていく
店員さん「いらっしゃいませ〜こちらにどうぞ。ご注文はお決まりですか?」
雅勝「みたらし団子を二本と桜餅を一つ頼む」
理壱「私も同じで」
席に着き暫くすると注文した物が置かれていく。行儀良く食べて茶を啜っていると、赤子を連れた男女が隣の席に着いた。皆さんはもうおわかりだろう、その男女は縁壱とうたであった
うた「この店美味しいって評判らしいべ」
縁壱「そうか、何でも食べると良い」
二人は縁壱の顔を浄玻璃の鏡で見て知っている。幸い今の所は気が付かれて居ないようだ。雅勝と理壱は『遭遇する確率おかしくね?』と思ったが後の祭りである
雅勝「むっ…?まさか…………食べたら下を向いたまま会計に行くぞ」
理壱「はい」
雅勝と理壱は、内心ドキマギしながら下を向いて食べている。動作は非常にぎこちないのは仕方がないだろう。縁壱達に見付かってしまい、それを母や姉に知られたらと思うと、自ずと背筋が凍ってしまうのだった
・