第16章 私の我儘【天国地獄魔界編】
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実は、うたは亡くなって二十年が過ぎた頃に獄卒ではないが、地獄の鬼となっていた。同じ元人間の鬼仲間と良い感じになり、三年の付き合いの後に結婚していたのである
縁壱「そうか…だから頭に角があるのだな。して、この件を旦那さんは了承しておるのか?」
うた「子供の為なら仕方ねーって言ってただ。旦那は賽の河原で仕事してっから余計に反対できねーだよ。早く転生して幸せになってほしいって願いながら仕事してるような人なんさぁ」
縁壱は、うたの夫が良い人(鬼)だと分かって安心したのか「おめでとう」と微笑んだ
うた「縁壱さ、オラはまゆちゃんに感謝してるだよ…鬼から縁壱さの心を守っただ。強いな、あの人は」
縁壱「うた…ありがとう…」
小野篁「さぁ、住まいは用意してありますから行きましょう!あー…まゆ様って3K神話とかありますけど、あれで結構モテますから気をつけてくださいね〜」
秦広王「篁!余計な事をいうな!」
篁が空気をブチ壊して秦広王に怒られてしまったが、いつもの事なので気にしていない。何せ小野篁と云う男は反骨精神の塊で、朝廷でも物怖じせずヤンチャをする子なのだ。怒られるのは分かっていながらも、この程度は普通に言うのである
篁「いやぁ〜ここで言わなきゃ男じゃないとか思いまして(笑)」
秦広王「男の定義が激しく間違っている事に気が付け。そして今言った意味が分からんわ!とっとと案内せんか!!」
篁「はーい!こちらでぇっす!(やっべw)」
二人は篁の案内で新居へと向うが、うたと篁と話ながらの移動の間も縁壱は、篁の言っていた言葉に胸をモヤモヤさせている。まゆが他の男の毒牙に掛かってしまったらと思うと平常心で居られないのだった
一方まゆはというと…
鬼灯が秦広王の所から帰って来たと思ったら、二年前に亡くなった美月を連れて来た。そして鬼灯は手に魂を持っていたのだが、まゆには意図が分からなかった
鬼灯「ただいま帰りました。ちゃんと届けましたよ」
美月「やっほ!お母さん久し振りだね♪事情は聞いたよ〜」
まゆ「美月、あんた角っ!」
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