第1章 出会った運命の人
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この前の父の配下の者を倒した件で自分が後継ぎにされるのを恐れ、母が亡くなったその日に兄、巌勝に別れを告げ継国家をでたのだ。その際、縁壱はまゆの部屋にも寄り別れを告げる
まゆの部屋は縁壱の部屋の垣根を隔てた同じ位置にあった
縁壱はまゆの部屋の襖をソッとあけて静かに呼びかける
縁壱「まゆ、まゆっ」
まゆ「縁壱お兄様、こんな時間にどうしたのですか?」
三歳であるまゆも流石に何かを察したのか声を潜める
縁壱「母上が身罷れた。俺はこのまま寺に行く。まゆ、どうか元気で」
まゆ「そんな…縁壱お兄様と離れたくないよぉ…」
縁壱「すまない…俺はもう継国家に居てはならぬのだ。まゆなら理由は分かるな?」
まゆ「はい………でもっ…」
まゆは縁壱の着物の裾を引っ張り必死に引き止め、また会えるのかと問うた
縁壱「会おう、絶対に。まゆに呪(まじな)いをかけようか」
そうまゆにいうと、頬を一撫でして優しく抱き寄せ接吻をした
まゆ「!?んっ!!!ふぅ…?」
縁壱「まゆ、もう少し力を抜いて…」
まゆ「はい…」
クチュクチュと、それは大人のするような深く甘いモノ。けっして七歳児と三歳児でしてええもんとちゃうよ!!!!!と、いう口付けだった
チュパっ
唇が離されまゆは息をつく
まゆ「この呪いは効きそうですね、縁壱お兄様、私からもしたいです…」
縁壱「ふふっ」
私からもと縁壱の口に自分の口を寄せた。あまり分かってないまゆと確信済み(?)の縁壱が微笑み合った
縁壱「まゆ、息の仕方を忘れるな。目指すべきものを忘れず、強くなれ。俺との約束だ」
まゆ「はい、お約束致します。お元気で…」
お互いに幼いながらも『愛おしい』と云う想いと初めての口付けの余韻を残し、二人は「またね」と手を振り別れたのだった
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