第12章 縁壱の娘と素敵な伯父様
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縁壱「兄上とまゆの事を何故知ったのだ…」
まゆ「女の感ってやつでしょうね」
美月「だって…伯父様が、お母さんの事と亡くなったお子さんの事を凄く気にしてて、たまに私の事をまゆって呼び間違えるの。何よりも、間違えて呼ぶ時に凄く愛おしそうに名前を呼ぶから…誰でも分かるよ」
縁壱にとって、兄がまゆを想い続ける事くらいは予想してた事。鬼になった理由が理由だけに否定は出来ないだろう
縁壱「そうか…兄上の事は分かった。しかし、侍になる事は容認でき兼ねる。美月は吉寿郎君との間に子供が欲しいだろう?」
美月「うん、そりゃ好きな人の子供は欲しいよ。当たり前の事を聞かないでよね」
美月にだって好きな男との子供が欲しいという願望位はある。それに煉獄家の長男に嫁ぐ以上は跡取りを産む必要があるのだ
縁壱「ならば侍の道は諦めた方が良い。まゆ、良いか?」
まゆ「そうね、美月がそれで納得するなら良いわ」
何の事か察したまゆは問に了承し、縁壱は鬼の始祖や当時の状況をなるべく伏せてまゆの過去を話していった
縁壱「それで兄上とお母さんの赤子は、産まれる事が出来ず亡くなってしまったのだ。お前はそれでも侍の道をとるのか?戦いに身を置けば可能性はある」
美月「…っ…そんな…………」
まゆ「それでも強くなって良かったとは思うわ。美月が産まれる直前に鬼が襲ってきたけど、お母さん美月を守れたもの。だから鍛錬は怠らず強く在るのは良いのよ。でも、自分と大切な人の身を守れる事を目標にしましょう。美月は吉寿郎君のお嫁さんになるのだからね?」
美月は両親の話を聞いて泣きじゃくりながらも答え、縁壱とまゆはホッと胸を撫で下ろした。まゆなど力が抜け過ぎて完全に縁壱に見を預けている
美月「ひっく…わかった…ごめん、なさい…」
美月は侍の道を諦め、煉獄家に嫁いで吉寿郎と家族になる。剣の道を志した身として、しっかりと夫を支えていくと心に決めたのだった
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