第12章 縁壱の娘と素敵な伯父様
・
縁壱「兄上と会っているのは知っておる。月の呼吸を教わったのだな…兄上は、お前が侍になりたいというのは知っておるのか?」
美月「…………最初の日に言った(伯父様ごめんなさい!バレてました!)」
まゆ「ねぇ、美月はもうすぐ嫁ぐのよ?吉寿郎君が悲しむわ!好きだから一緒になりたいのよね?だったら諦めなさい!!」
縁壱とまゆに連れられて、美月は幼い頃から煉獄家に出入りしていた。透寿郎の三人の息子のうち、歳の近い吉寿郎と恋仲になっていたのである。もう結納も済ませてあり、再来月には祝言を挙げる予定なのだ
美月「伯父様は強さを求めるのは良いけど侍は難しいだろうって。煉獄家に嫁ぐのだから鬼殺隊の事も聞いてるし、吉寿郎さんは応援してくれてるし良いじゃない!」
縁壱「鬼殺隊に入りたいのか、殿様の家臣などになりたいのかどっちだ?(やはりまゆに似て我が強いな…)」
まゆ「縁壱さん、どっちもダメなんだからね!認めちゃだめよ?」
縁壱は「わかっておる」とだけ返して美月の返事を待った
美月「侍になれたらどっちでも良い…」
まゆ「侍舐めんな馬鹿娘!!直ぐに死ぬわアンタみたいな子は!!女の子なんだから大人しく可愛い嫁さんしてなさい!!(どちらにも伝手はあるけど…でもダメダメダメ!!本当に私に似てもぉー!!)」
縁壱「まゆ、言い過ぎだ。落ち着きなさい(兄上が育手ならば実力は確かだろう。しかし、娘を危険に晒す事など絶対にせぬ…)」
美月の中途半端な言葉に、ヒートアップしてキツイ言葉を投げかけた。キレ気味で冷静さを欠いたまゆを落ち着かせようと、縁壱は自分の胸元に引き寄せる
美月「むっ…何でさ…私知ってるからね、お父さんもお母さんも鬼殺隊の柱だったんだよね。私の事言えないじゃないか。特にお母さん!それと伯父様が、お母さんの前の旦那さんなんだよね?伯父様と一緒に柱やってたんでしょ。旦那さんが認めているなら良いって事だよね?」
一気にまくし立てる美月に『娘に気付かれていたのか』と思い、縁壱とまゆは絶句してしまった
・