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【鬼滅の刃】過去も未来も〜R18〜【継国兄弟】

第12章 縁壱の娘と素敵な伯父様






いつの間にか私の隣に居たのには少々驚いた。女子の声、こんな場所で一体何をしているのだ



殺しはしない。私は人が喰えぬ故に殺す必要もなければ、相手はまだ子供だ。私は六つ目の顔を見られて騒がれても面倒だと思い擬態をした



聞けば剣術を父から習い、体力作りだと言った。そして全集中常中を使っているが両親には及ばないという



その娘の両親は共に全集中常中が出来ると…



娘は美月と名乗った。相手が名乗ったら自分も名乗るのが礼儀というもの。私は黒死牟だと名乗る



巌勝という名はあの日に捨てたのだから



まゆと腹の子に別れを告げたあの日に…



美月「カッコイイ名前ですね♪黒死牟お兄様って呼んでも良いですか?」



お兄様か…懐かしや…



美月「ダメですか?」



黙り込んでしまったのが気になったのか、美月が私の顔を覗き込もうとする。しかし私は反射的に顔を逸してしまった



黒死牟「いや、良い…」



昔を思い出し気恥ずかしくなった私は顔を逸したまま答えた



美月「ぶはっお父さん?はっ?えっ、違うの?意味不なんだけど!誰か私に説明プリーズぅ!」



お父さん…だと?



私は美月の方に顔を向けた



黒死牟「まゆ…」



髪の色や質は全く違うが顔はまゆにソックリだった。あの時、腹に居た子なのだろうか…



否…あの時の子ならばもう少し大きい筈だ。美月はどう見ても十一歳か十二歳。私の子ではない。だとしたら…



思えば両親共に全集中常中が使えると聞いた時点で気がつくべきだったのだ。美月の父が私にソックリならば父親は縁壱なのだろうな…



美月「母をご存知なのですか?」



縁壱はまゆを手に入れたのだ。嫉妬が無いわけではないが、この子に罪はなかろう…



黒死牟「あぁ、よく知っておる。お前の父、縁壱は私の双子の弟でな…まゆは元気か?」



今でも愛する人であり、私の妻だった女…だが美月に言っても混乱するだけだ



美月「二人とも元気ですよ♪じゃぁ黒死牟伯父様ですね♪お会い出来て嬉しいです!あれっ、でも黒死牟伯父様の方が若く見える!?」



当然だ…私は鬼なのだから…



混乱しつつも考え込んでいる顔や仕草がまゆと重なり、自然と笑みが溢れる



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