第10章 番外編ー黒死牟ー
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黒死牟「ありがとう…名を教えてくれぬか?」
?「名は…………」
鬼灯「この子に名はありませんよ」
白澤「名前つけてあげなよ〜今からでも遅くはないよ♪」
まゆ「巌勝さんに任せるわよ!お父さん頑張って♡」
考えてみればそうだ。私が鬼になった日にまゆの腹に居るのがわかったのだ。名前が無いのは当たり前なのに…
?「父上…」
不安そうに私を見上げる我が子の姿が目に映る。すまない、お前にそんな顔をさせたいわけではないのだ
黒死牟「……雅勝はどうだろうか…」
まゆとの子が出来たら付けようと思っていた名前だ。何にも囚われず雅に生き、自分に勝つという意味を込めたものだ
私は幼少期から弟に嫉妬し、最終的に自分自身に負けたのだ。まゆや子を守りたかった…だが、鬼になる事しか手が無かったのは弱いからだ。こんな私のようになってほしくはないから…
?「はい!父上、立派な名をありがとうございます!雅勝…私は雅勝」
まゆ「良かった…やっと名前がついたね」
ホッとしたまゆの顔と、雅勝の顔を交互に見やる。私の大事な家族…これ程までに愛おしいと思うものは他に無い
白澤「ハッピーエンドだね♪」
鬼灯「貴様は頭の中が幸せなまま逝け!! 」
まゆ「仲が宜しい事…」
鬼灯殿と白澤殿の言い合いを尻目に私は雅勝に肩車をしたり、頭を撫でたりと親子のふれあいをしていた
雅勝「父上!私は父上のような立派な侍になりとうございます!私に剣術を教えてはくださいませんか?」
黒死牟「あぁ、生活が落ち着き次第…お前に稽古をつけよう…」
雅勝は私に抱き着き顔を綻ばせた。愛する妻が居て、自分の子に剣術の稽古をつけ、共に暮らす。こんなに幸せで良いのだろうか…?
鬼灯「私としたことがぁ!すっかり忘れてました…実は悪魔王である、某堕天使ルシファー様がお見えになります」
白澤「某の意味は何処いったんだよ」
★ここではサタンとルシファーは別物として登場させます。サタンはGS美神の最高指導者のサッちゃん、ルシファーは聖☆おにいさんのルシファーで、本編でもこの設定使います
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