第10章 番外編ー黒死牟ー
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鬼灯「では、巌勝さんと呼ばせていただきますね。貴方は鬼舞辻無惨の配下でした。今までの行ないについてですか…」
そして私は処罰されるのだろうか…当たり前だ。鬼となってから暫くして上弦の壱となった私は鬼舞辻無惨の手となり足となり、仲間だった筈の鬼殺隊士を殺してきたのだから…
鬼灯「巌勝さん、貴方に関しては処罰の対象外ですからご安心を」
黒死牟「何故でしょうか…」
意味がわからない。私は処罰されねばならない身であろう事は自分でもわかる。まゆは分かっていたのか頸を縦にブンブン振っている
鬼灯「巌勝さんは元人間ですが今は魔族ですからね、基本的に神魔や妖怪は処罰されません。その辺を分かっていたのでまゆさんは貴方を人間に戻したくなかったのでしょう?」
黒死牟「真か?」
まゆ「そうね。まぁ、人間として死んだら裁かれるけど、その時は裁判を神魔の最高指導部預かりにして無罪にする気だったのよ」
嬉しい…愛されていると実感する。神に寵愛を受ける縁壱に嫉妬していたが、私は最上級魔族に寵愛を受けていたのだ…
まゆ「私は巌勝さんの為なら何でもするわよ」
それは公私混同が過ぎではないか?
鬼灯「相変わらず怖い人ですねまゆさんは。貴女ならそれ位は簡単にやってのけるでしょう?それだけの力も人脈もあるからこそですね」
まゆ「そうね、使えるもんは使うわよ。でも鬼舞辻みたいに利用はしないわ!活用するのよ?何かの時は私も使われる、それで良いの。さぁこれ位にして、そろそろ行きましょう」
まゆ…これからはずっと一緒に生きて行こう。その為には護られてばかりの自分を変えねばならぬな…
鬼灯「そうですね。ではまゆさんの空間移動でいきましょう」
まゆ「そうね、私に掴まって」
黒死牟「これで良いか?」
鬼灯殿はまゆの服の袖を掴んだが、私は後から抱き締めた。夫の特権というもの…
まゆ「巌勝さんは大胆ね♪」
黒死牟「それも愛するが故…」
鬼灯「リア充は私のオリジナル地獄に行け!」←バリトンボイス
りあじゅう…饅頭の一種か?桃源郷…本当に桃があるのか?
疑問しかない…
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