第10章 番外編ー黒死牟ー
・
無惨様がいらっしゃったがまゆは私の膝の上、名残惜しいが今は退かさねばならん
黒死牟「少しの間だけ退くんだ。無惨様の御前だ」
まゆ「嫌っ。私無惨の配下じゃないし、黒死牟と離れたくないの!」
言うなり無惨様を睨みつけている。まゆよ、少しは夫を立ててほしいのだが…
無惨「黒死牟、女はそのままで良い。頭を垂れてつくばえ、平伏せよ(アレを怒らせたら不味い…)」
黒死牟「ありがとう…ございます…」
まゆ「当然よ!夫婦は離れちゃダメなんだからぁ♡」
何故に許されたかは分からない。無惨様はそんなに寛容な方だっただろうか…
話が終わり、無惨様は用事があると何処かに行ってしまわれた。皆それぞれ緊張が解けたのか、息をつき脚を崩している
上弦の弐・殺奈落「黒死牟殿、その方をご紹介頂けませぬか?お嬢さん、私は上弦の弐、殺奈落(さならく)と申します」
殺奈落が私とまゆに話しかけてきた。余りジロジロと人の妻を見ないでほしい
まゆ「まゆっていいます!」
黒死牟「私の妻だ…もう良いだろう。まゆ、私達の屋敷に帰ろう」
殺奈落「独占欲の塊ですな貴方は。あまり宜しくない、嫌われますよ」
五月蝿い、まゆが私を嫌う筈がなかろう?馬鹿なのかこの男は!きっと人だった頃に女を付け回して嫌われたのだろう…哀れな
殺奈落「大体が黒死牟殿は…」
殺奈落が何やら言葉を続けようとしたが私は早くまゆと二人きりになりたいが為に全力で殺奈落を無視し、全力で走って屋敷に帰って来た
橘?知らん、どっか行った
まゆ「ねぇ黒死牟っ?私お腹空いたぁ〜」
まゆは頸をかしげて私の名を呼び、顔を覗き込んでいた。なんと愛い事か…
黒死牟「人を狩らねばな…」
まゆ「要らない!私は人は喰わないし喰えないから♪」
人から鬼に変えたのは私なのに、身勝手にも人喰いを拒んだまゆに少しほっとした
・