第10章 番外編ー黒死牟ー
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だから恨まれても良い、罵ってくれて構わない
共に生きてくれ…
私は自分の腕を噛み切り自分の口に血を流し込んだ。そしてまゆに深い口付けをする
さぁ、血を飲んで鬼になれ…魔族に制約をかけられた私と違い、恐らくは人を欲するだろう
お前が人を喰いたくないと拒むならは、私の血を飲めば良い
生きていてくれたら、それだけで私は…
だから…頼むから間に合え!!
私の願いが届いたのか、まゆの脈が力強く動き出した
黒死牟「まゆ…再び、結ばれよう…」
目覚めた時、例えお前の記憶から私が消え去っていようとも、必ずものにしてみせる
出会い直しも悪くはないだろう?
私は脈も顔色も全集中常中も元通りになり、すやすやと眠るまゆを抱え屋敷に帰る。無惨様を通さず鬼に出来たのが幸いした出来事だった
無惨様に報告をした方が良いのだろうかと思い、私から無惨様に念波を送った
黒死牟『無惨様、鬼殺隊の者を一人鬼に致しました』
一部使用許可を得た魔力を使えば、どうやら無惨様と念波は繋がるらしい事を鬼生活二年目で知ったのだ
無惨『ほう、その者は強いのか?』
黒死牟『はい、元柱で私の愛する妻でございます。実力は申し分ありませぬ』
無惨『げぇっ!?(ヤバイヤバイヤバイ)』
黒死牟『どうか、なさいましたか?私は妻が一緒に居れば、もっと強くなれると確信しております故…今までより無惨様のお役に立てまする』
再びまゆと共に生きられる喜びでいっぱいな私は、無惨様の様子のおかしさを気にも止めなかった
無惨『ゴホンッ、今はどんな様子だ?』
黒死牟『今はまだ眠っております。しかし、今から上弦会議…一人で置いておけませぬ故連れて行きとうございます…では参ります』
私は無惨様に忠実だ。妻を上司に会わせねばと、まゆを優しく抱きかかえ無惨様の屋敷に向った
私は魔力のおかげか、直ぐに上弦の壱となった。上弦の壱として新米の鬼(まゆ限定)を守る目的もあるが…
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