第9章 手が届く
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『まゆへ
出が悪いのなら、乳腺詰まってるかもしれないから旦那さんに吸ってもらいなさい。これが一番だから…嘘だと思うでしょ?それが本当なのよ。それと、授乳前は乳輪解すの忘れちゃだめよ~。乳首切れたら最終手段、治るまでは湯呑みに絞ってお匙で飲ませなさい。切れた所は油塗って保護するの。張って熱持って痛いようなら絞ってから脇の下を冷やしてね!ただし絞りすぎ注意。そのうちに赤ちゃんに必要な分しか作らなくなるから、それ迄はその都度対処すべし。また何かあったら言いなさい♪
母より 』
まゆ「…えっ、旦那さんに吸ってもらうとか…」
縁壱「なるほど、理にかなっておる。流石は七人の母上だ…」
私に出来ることなら何でもやる。まゆが少しでも楽になるのなら、美月が腹いっぱいになるのならば…
そう思い服に手を掛けと、まゆの目が見開かれた。まさか私が本当に乳を吸おうとするとは思わなかったのだろう
まゆ「えっ、吸うの?」
縁壱「うむ…カチカチで熱を持ち始めておる。随分痛いのでは?対処は必要だろうと思う」
やましい気持ちなどない。決してない…
カプッ
まゆ「あにゃ!?はばばばばっぎにゅにゅぐはぁーぁぁぁあ痛てぇっ!触ると痛いのゔがーあぁぁぁ!!……………あれっ?」
縁壱「ん?」
まゆは目をパチパチとさせて私を見ている。その顔は明るく、新しい事を発見した時の子供の様だった
まゆ「あれっ?はっ?楽になったんだけど?」
縁壱「詰まりが取れた事により、ちゃんと出るようになったのではないか?」
私が吸った方の胸は柔らかさを取り戻して痛みと熱が引いたらしく、不思議そうにしているまゆの顔が真に愛らしかった
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