第9章 手が届く
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縁壱SIDE
まゆ「ありがとう。ごめんね我儘で…」
縁壱「ふふっ、それはとうに知っておると結婚前に行ったではないか。まゆ…」
美月「ほにゃぁほにゃぁー…」
私がまゆに口付けをしようとした瞬間、見計らったかのように美月が泣き出した。あまり乳を飲めていなかったのか…?
まゆ「はいはい、アヒルのお口よ?さぁどうぞぉーっ、痛たたたっ!やっぱり痛いっ!縁壱さん!」
縁壱「下を圧迫だな!うむ…カチカチだな…」
美月が産まれてから二度目の授乳も終わり、おしめを変えれば再び寝た。美月は私の腕の中、幸せを噛みしめつつまゆに口付けをした
まゆ「んふぅ♪縁壱さん目尻下がってるよ♪」
縁壱「当たり前だ、愛する妻と娘がすぐ側にいるのだぞ?」
まゆは余程疲れたのだろう、ニコリとして寝息をたてた
縁壱「寝たのか、おやすみ…」
愛する妻と娘の寝顔を見ながら幸せに浸りつつ私も眠りにつく。どうかこの幸せが、ずっと続きます様に…
お館様と義母上には、起きてから鴉を飛ばして文を送ったところ、お二人からは直ぐに返事が返って来た
『縁壱とまゆへ
まずは、おめでとう。まゆと美月が無事で何よりだよ。引退の件はわかった、どうか気にしないでほしい。私は子供達の幸せを願っているよ。落ち着いたら家族で顔を見せにおいで、待ってるよ
産屋敷朔也 』
何とありがたい事か…
次は義母上からの文。これはまゆと二人で読む事にして、寝床に持って行く
まゆ「早いね!朝一で文を出してくれたの?ありがとう♪」
縁壱「あぁ、礼など良い。私はまゆの夫であり美月の父親なのだから当然だ。さて、一緒に読もうか」
まゆ「うん♡」
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