第9章 手が届く
★原作では黒死牟はお館様を殺しましたが、ここでは殺してません
縁壱「お館様、お身体に障ります故そのままで…」
まゆ「ご無理をなさらず、ご自愛なさってくださいませ」
縁壱は朔也に「そのままで聞いてくださいませ」と、朔也の布団を掛け直してから話し始めた。まゆは縁壱の隣で正座をして真剣な面持ちで朔也を見ている
朔也「ありがとう。それで何かな?」
縁壱「はい。この度、私し継国縁壱はまゆとの間に子を授かりました事、及び婚姻関係を結びます事を、お館様に御報告させていただきたく本部に参りました次第でございます」
朔也「フフっおめでとう。幸せになるんだよ。まゆは完全に引退なのかな?」
縁壱「はい。痣の件もございます故、今後は家族の時間を過ごしたいと…」
縁壱が妻となる女の方をチラリと見ると、まゆは小さく首を縦に振った
朔也「では、縁壱の仕事を抑えよう采配するね。まゆと子供を大事にするんだよ」
縁壱「有り難きお言葉」
まゆ「ありがとうございます(お館様は先読みしていたのだろうか…だから給金を私に届けさせたのかな…)」
ー御影家ー
鷹男「チュンチュン!アー、政孝ニ伝令的ナ?」
影子「アンタイツカラ雀ニナッタノヨ!」
矢吹「鷹男ノ兄貴ハ鴉デモアリマテン!ヨク見テクダパーイ」
唐巣「君タチネー、巫山戯ルノハ止メタマエ」
日縁「雀ハ ソンナ野太イ声デハナイ…」
鎹鴉達が挙って御影家に来ていた。まゆが会ってほしい人が居る事を知らせる為に鷹男と影子を寄こしたのだが、何故か皆来てしまったらしい
因みに影子は巌勝が鬼となり居なくなった時からまゆに着いている。巌勝の代わりに見守りたかったのだ
政孝「どうかしたのか、騒がしい…」
唐巣「まゆ君カラ伝言デ、会ッテホシイ人ガ居ルカラ、父上ト母上ニ本部ニ来テホシイトノ事」
鷹男「相手ガ相手ダケニィ、此処ニハ連レテ来タクナイソウダ」
政孝は何となく察しがついたらしく、わかったと一言だけ返事をして鎹鴉を帰した。政孝はその日、伝令を伝えに来た旬の鎹鴉(秋刀魚)に都合の良い日を書いた文を持たせたのだった
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