第8章 運命か必然か
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そして忙しく任務をこなす私の安らぎがまゆと子供。男子でも女子でも、子が七つになれば休みの日には剣術を教え
『むぅ、父上手加減してください!』
『十分手加減はしておる。負けたくなければ強くなれ』
『はい!父上のように強くなります!』
『うむ、励む事だ…』
まゆとは手合わせをして
『また負けたぁー!巌勝さん、次は絶対勝つからね!ふーんだ、痛くて夕餉作れません!』
『痛そうには見えないが?』
『心が痛いの!だから抱っこ♡夕餉一緒に作ってね♪』
『母上…?』
『夕餉は構わないが子供の前でこれは良くないだろ』
『しっかり抱き返してる癖にぃ〜子供は親を見て育つのっ♪だから良いの♡ちゅうは?』
『んっ、わかったからパタパタするな』
そして、私は『全く子供の前で』と照れながらも軽く口付けをしてやる
『むぅ…もっと深いの♡』
『これ以上はダメだ。ほら、一緒に夕餉を作るのだろう?後で沢山しよう 』
チュッ
『うっ…///』
『馬鹿親乙…』
その後は家族で夕餉を談笑しながら食べて、子を寝かしつけて
『寝顔可愛いね〜巌勝さん似かな♪』
『この可愛さはまゆ似だろう。ところでまゆ、二人の時間だ…私は愛する妻を抱きたいのだが?』
『はっ、恥ずかしいから聞かないでよっ///』
そして愛し合い、お前を腕に抱いて眠る
あったかもしれない未来を想像していると、私の六つ目全てから溢れだした。もう戻らない時を考えても仕方がないのはわかっているのだが…
黒死牟「何故か、お前が近くに居る気がするのだ…」
どう足掻いても私は側には居られない。鬼として目覚めた時から私の中に確かに感じるまゆの気配。側に居るようで離れている様でもあるのが余計に私を寂しくさせるのだ
何故なのだろう…
考えてもわからぬが、まゆが居るような感覚を大事にしようと決めて他に思考を回した
そう言えば私に魔力の使用を一部許可し、人を喰らえぬ制約を掛けた魔族とは何者であろうか
私にそのような知り合いなど居らぬ。だが神魔は気紛れだと聞く。私に興味が湧いたのだろうか…
無惨様は恐らく正体を知っているのだろうが教えてはくれまい
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