第8章 運命か必然か
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巌勝はまゆを自分の後ろに隠そうとするが拒否されてしまう。鬼殺隊の柱である以上は鬼相手に守られているのは解せない、と言う
巌勝「貴様が何者かは知らぬが鬼なのはわかる。鬼殺隊月柱、継国巌勝参る!月の呼吸 陸ノ型 常世孤月・無間 (まゆ、頼むから逃げてくれ…これは異常だ)」
巌勝は広範囲な技を使い無惨に切りかかる。そこにまゆも応戦する
まゆ「光の呼吸・伍の型 日光雷鳴・幻影月」
まゆを交えた暫くの戦闘の末、まゆが無惨に捕まってしまった。胴体を鬼の力でギリギリと締め付けられる身体は悲鳴をあげている
無惨「ふむ、二人とも中々のもの。申し遅れた、私は鬼舞辻無惨という鬼の始祖なる者」
まゆ「ぐあっ!!」
巌勝「貴様、まゆを私の妻を離さぬか!!」
無惨は更にまゆを痛めつけるように力を込め、自分の名を名乗った。巌勝の背中には冷たい汗が伝う
無惨「そんなにこの女が大事か、ならば交渉しよう。強さはお前の方が上、私は呼吸とやらを使える手駒が欲しい。女と腹の子を助けたくば鬼になれ」
巌勝「腹の子…?」
まゆ「ぐっ…」
まゆの体調の変化は飲み過ぎではなく、巌勝の子供がお腹に居たからで、謂わば悪阻であった
無惨「気が付いていなかったのか。まだ出来たてで気配は小さいが私には分かる、気配からいってお前の子であろう」
まゆ「巌勝さん惑わされちゃダメ!私はもう良いから、死んでも赤ちゃんと一緒なら寂しくないから!お願いよ…」
巌勝は、まゆと腹に居る自分の子は何とか助けたいが、自分の力では叶わないだろうと悟っていた
巌勝「まゆ、私は縁壱の力を自分のものにしたかった。私はそれも出来ず、痣も出て寿命は後少し…」
まゆ「何言って…」
無惨「鬼になれば寿命など関係無い。好きなだけ稽古をして強くなれば良いではないか、そして妻と子を助ける事が出来る。さぁどうする」
助けられない、ならば答えは一つ
巌勝「鬼になり、貴方に従います。ですから、どうか妻と子を傷付けぬようお頼み申す!」
★巌勝は鬼にはなりますが、この小説では縁壱への嫉妬要素などは薄めです
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