第8章 運命か必然か
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縁壱の辛く悲しい夜から二年の月日が流れた
縁壱はあの日依頼涙は流さないし態度も変えない。まゆが傷付くと思い、一生懸命気持ちを抑えていたのだった
巌勝とまゆは半年前に祝言を上げ、夫婦になっている。それ以来、まゆが縁壱に抱き着く事は無くなったのだが夫が居る身、当然と言えよう
まゆ「あー怠い…気持ち悪い…最近ずっとだわ。飲み過ぎかな」
巌勝「毎晩の事ながら飲み過ぎだと思うのだが…」
縁壱「あまり体調が悪いなら今夜の任務は代わるから休みなさい」
縁壱はまゆを気遣いを見せる。例え自分のものにならなくても、ずっと大切にしたい存在。元々優しいが縁壱にとって、まゆは特別なのだ
まゆ「でも縁壱さん今日は遠方任務でしょ?何とか大丈夫!ありがとう♪」
縁壱は想い続ける。彼女が自分を想ってくれる日を待ちわびて。例えばそれが、うたかたの様に儚く散りゆく願いだとしても…
その晩のこと、巌勝とまゆは任務が終わり手を繋いで夜道を歩いていた
まゆ「この怠さは二日酔いなのか三日酔いなのか…大体がさ、桃太も映司もだけど、真希&お妙まで私を熊とか言うから自棄になって飲むんだよ私は!」
巌勝「あー、熊系アイドルとか言ってたな」
意味不明なアイドルである
まゆ「私は熊のPーさんかってーの!でも逆に凄いよねそれw」
巌勝「うーむ、いつも何かを抱えているという点は共通しているのでは?蜂蜜か酒かの違いはあるがな。まぁ、それだけお前が強く可愛らしいという事だ」
そういうと立ち止まり、巌勝はまゆの額や目尻に口付けを落としていく。暫く抱き合いながら話をしていたが…
まゆ「巌勝さん…」
巌勝「あぁ…」
おかしな気配に気が付き、二人は日輪刀に手をかける
無惨「私の気配に気が付くとは相当な手濡れ。貴様ら鬼狩りだな。それも柱と呼ばれる者達とみた」
巌勝「貴様は鬼だな?」
まゆ「巌勝さん、こいつ今までのとは力の桁が違う。鷹男さん!」
鷹男「影子(かげこ)ガ応援呼ビニ行ッタ!」
★巌勝の鎹鴉は影子と名付けました
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