第7章 柱になる
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桃太はまゆと共に結構な速度で走って本部に帰還し歩いていると、今日感じたまゆの違和感について尋ねた
桃太「ところでよぉー、お前の腰が若干泳いでるのは何でだ?」
まゆ「えっ?あー、たっ鍛錬だよ!そう、鍛錬!」
鍛錬だと言うまゆの顔が妙に焦っている。その顔は紅く、桃太が見た事の無い女の顔だった
桃太「ほー、それはそれは随分と長く激しい鍛錬したみてぇだな」
まゆ「えっ、あー…(桃太気が付いてる…私ってわかりやすいのかな)」
桃太は確実に察している。片想いの相手は誰かと交わったのだと。悔しさが込み上げ、まゆに分からない様に拳をギュッと握りしめた
桃太「で、相手はどっちだよ。日柱様か?月柱様か?まさかの亀公か!?」
まゆ「むっ、亀ちゃんは無いわ!桃太には話しておかなきゃだね…飲みながら話すから外飲みしようか。鷹男さん!今夜は二人で外飲みするから言っといてね!(巌勝さんとも約束はしてないから大丈夫だよね)」
鷹男「オ嬢、ソノ前二報告書ヲ上ゲネバナラァァァァン!本部へ向エー」
まゆの頭の中からは報告書という文字が消えていたらしいく、二人は急いで本部に戻り報告書を書いた。いざ書き終わり門を出ようとすると後ろから声をかけられ内心焦る
巌勝「まゆ、桃太と二人で何処へ行く」
まゆ「うはっ!巌勝お兄様っ♪お疲れ様でーす」
桃太「月柱様お疲れ様っす」
まゆにとってこの状況は非常にマズイ。だが、やましい事は断じて無い!無いがヤバイ事この上無し。巌勝はまゆの頬に手をやり優しく撫でるが一方で目は鋭く桃太を捉えていた
桃太「…チッ」
まゆ「えっと、相談していた事が解決したから報告とかを外で飲みながらしようかなと…」
巌勝「外で飲まねばならぬ理由はなかろう」
巌勝にはまゆの言う相談の内容は察しが付いているし、桃太がまゆをどうこうしようなどと考えてない事も分かる。だからといって、彼氏としては他の男と二人きりにはしたくないのは当たり前であろう
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