第7章 柱になる
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巌勝は隠によって敷かれていた布団にまゆを抱っこしたまま座ると、額に口付けを一つ落とす。まゆは照れ臭そうに巌勝に口付けを返し、話を始めた
まゆ「ねぇ、さっきの続き聞いてくれる?」
巌勝「あぁ、聞かせてほしい」
兄弟仲の話か呼吸の話か巌勝には検討が付かぬが、巌勝は了承をしてまゆを抱き直した
まゆ「私の光の呼吸ってさ、日の呼吸と月の呼吸を霹靂一閃の踏み込みによって出来たから完全に派生なんだよ。でも月の呼吸や他の呼吸って派生じゃなくて、基本は有るかもしれないけど、それはもう派生ではないんだと思う。特に月の呼吸は…」
巌勝「どういう事だ?日の呼吸があったからこその他の呼吸、その事実は変わらぬ。そして縁壱には勝てぬのだどうしても!」
まゆは巌勝の言葉に、一呼吸置いて再び話しだした
まゆ「私はそうは思わない。日の呼吸と月の呼吸は真逆…それは既に別物だから月の呼吸も始まりなんだよ。あくまでも私の持論なんだけどね…本当に派生が始まるのはこれからなんじゃないかなって、そうなると光の呼吸がその一例だね」
巌勝「まゆ…」
日の呼吸がどうしても出来ずに悩んでいた巌勝にはまゆが女神に見えた。派生かそうでないかは兎も角、そういった考えもあるのかと感激したのだ
しかしまだ、縁壱に勝てないという悩みもある。それを察したのか、その事についても話していく
まゆ「巌勝さんの思う事は何となく分かります…縁壱さんに勝てるかは問題じゃありません。私達鬼殺隊が勝つべきは鬼、そんな事を言ってても先には進めない。そんな事を思いながら鍛錬するなら拗ねちゃうからね!女だから腕力とか体力とか基礎的なものが全て男性に劣ってるけど、それで腐った事無い。私は私、他の何者でもないから」
巌勝「まゆは強いな…私もそうで在りたい。お前と一緒なら出来る気がする」
巌勝の心が軽くなり、希望を持てた瞬間だった。確かにまゆは女子で身体も小さい。なのに柱になる程の実力を持ち、堂々と振舞っているのを巌勝は間近で見ているのだから
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