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転生少女の暗殺記録

第1章 いつもここから


あの奇妙な夢から一週間、あの天使はいつも私の夢にでてくる。なぜか砂糖菓子でできており、腕が取れても平気そうだった。
 授業にも集中できず、体育では倒れ、鷹岡先生の授業があった時にはぶたれる始末。先生方も私の体調を気にしていたが、大丈夫だと平静を装った。
 そして悲劇は起きる。
 帰り道、信号無視のトラックが突っ込んできた。集中力の欠けていた私は気づかず、時は遅し。意識の無くなる感覚と腹部の暖かい感触。これが死か、と思った。

「思ったより早かったですね、注意力散漫ではないですか?」
 気がつけば真っ白な部屋。ロングスカートのメイドがなぜか私を責め立てていた。いや、なにが思ったより早いだ。
 それはさておき、状況を整理しなければならない。私は死んだはずだ。ならばここはどこだ? 精神世界、と言う割にはなにもなさすぎる。私が空っぽなのか? いやそんなことはないだろう。
「まあいいでしょう、貴方は特権として死ぬかやり直すかを選択できます。さっさと選んでください」
「待ってください、ここは?」
「この世とあの世の狭間です。早くしないと死にますよ」
 まともに情報も与えてくれないが、とにかくここがどういう場所かはわかった。あいにく、ここで死ぬのは嫌だ。
「わかりました、では少々お待ちを」
 視界がブラックアウトしていく。あぁ、どこからやり直すか聞いていないなと思いながら目を閉じた。

 これが地獄の始まりだと、私は予測できなかった。
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