第1章 いつもここから
E組までの道のりは、漫画から想像するよりも楽だった。というのも、私の部活がフェンシングだったので、基礎体力はあったのだ。
疲れきって淀んだ空気の教室に入れば、早速生徒手帳を確認する。死んだ年齢が17だけれど、ここの年齢がいくつかはわからない。
……案の定だ。14に戻っている。ため息をついて手帳をしまうと、はじめのシーンがやってきたようだ。
「初めまして、私が月を爆った犯人です。来年には地球も爆る予定です。君達の担任になったのでどうぞよろしく」
出た。最高時速マッハ20の超生物、殺せんせー。みんなの雰囲気に飲まれてというか、生で見る衝撃が強く、私も圧倒されてしまった。
だってあの黄色いタコ、なんかヌルヌルしてるわ、日本語喋るわ、烏間と名乗った人のナイフを避けつつ眉毛の手入れを丁寧にしてるわ……。全てが異次元だった。
賞金1億円のタコは、
「殺せるといいですねぇ、卒業までに」
と煽ってくる。
上等だ、殺してやるよ。そう、決意を固めた。