第1章 白雪姫
りんごをかじるとたちまちマイキーの体調に異変が起こり、びっくりした一虎は何が起こったのか解りません。
「マ、マイキー…?」
「がはッ…テメー……謀ったな!?」
「マイキーのために…やったのに……なんで…っ」
自分が食べさせたりんごがまさか毒りんごだったなんて……マイキーを喜ばせようとしたことが裏目に出てしまいます。
「マイキーが悪いんだ…マイキーを殺さなきゃ…」
「殺さなきゃ、って…もう死ぬよ俺毒だろ?これ」
弱々しく言い捨て、マイキーはその場にばったりと倒れました。
そこへマイキーを探していた武道が通りかかり、目の前の異変に気付きます。
「一虎君、場地君…これは一体…?」
他の小人達も集まってきて、事態を知った彼らは一虎を問い質し始めました。
「一虎てめえ!何お稀咲とつるんでんだよ!」
「オレはバカだからよくわかんねえ」
三ツ谷からはお稀咲とグルだと勘違いされ、パーちんからは分からないと匙を投げられます。
「パーちんの脳ミソはミジンコだぞコラァ!」
「言ってる場合かー!マイキー君を助けないと!」
ペーやんの煽り文句をまともに聞く余裕もなく、いてもたってもいられず武道はその場から走り出します。
「…どこ行くんだよタケミっち?」
すると、その様子を見ていた千冬に呼び止められました。
「お、大人のひとを探しに…」
「隣の国に王子がいたハズだ。この森にもよく狩りに来てた。てか、お前も大人だろ」
「よし、王子を連れて来よう。オレが走るから、千冬は案内頼む!」
小人の千冬を肩に乗せ、王子に助けを求めるため武道は必死に走りました。
マイキー君を…助けなきゃ!オレを助けてくれたマイキー君…今度はオレの番だ、絶ッ対ェ助けてやる!
やっとの思いで王子を探し出した武道と千冬は、彼を連れて家へと戻って来ました。家の前の庭には毛布が敷かれ、マイキーが寝かされています。
「タケミっちに聞いたぞマイキー、お前…毒りんご食べたのか!」