第1章 白雪姫
そのいじらしい表情が可愛くて感情を抑えられなくなったドラケンは、マイキーを抱きしめると再び唇を落とし始めました。
「ちょっ、何すんだ…ッ」
「うるせえ。黙っとけ」
「んっ……あ…っ…」
服を剥がされ、首筋や肩に唇を寄せるドラケンに小さく反応しながら、マイキーはずっと気がかりだったことを伝えます。
「…ねえケンちん…さっきから……みんな、見てるよ?」
マイキーの言葉に、ドラケンはハッと我に返って周囲を見回しました。
「あ?……なっ…!テメーら、いつからいた?」
「ずっといたわボケぇ!!シカトしてんじゃねえわ!」
「え…オレら視界に入ってなかった?マイキーしか見えてねえじゃん」
周りで泣いていたみんながいつの間にか集まっていて、全員二人の一部始終に注目していました。ドラケンの腕に抱かれたまま、マイキーが武道に向かってお礼を述べます。
「タケミっちがケンちん呼んでくれたんだろ?助けてくれてありがとな」
「えっ…いやあの…は、ハイ」
何だか色っぽいなマイキー君…
突然話し掛けられ、目のやり場に困っていた武道はしどろもどろになってしまいます。
「…タケミっちがやらしー目でマイキーを見てるからよー、直せよ服」
そこでドラケンがやや不満げに武道を責めながら、マイキーのはだけた胸元を直します。
「タケミっちやらしー!」
「見てませんって!つうか、そっちが見せてんだよ!!」
元気を取り戻したマイキーの笑顔を見て、武道は心の底から安堵しました。
その後、事の全てを知った王が女王お稀咲を佐野城から追放して、ようやく平和で穏やかな時間が返ってきました。
一虎の誤解も解けて、小人達は仲睦まじい関係を取り戻します。
武道は帰る場所があるからと、別れを惜しみながらも時空を越えて行きました。
マイキー姫と王子ドラケンは、東卍の仲間である小人達と共に、いつまでも仲良く楽しく幸せに暮らしました。
配役
白雪姫:マイキー
お妃様:稀咲
部下:キヨマサ
りんご売り:半間
小人たち:場地、千冬、三ツ谷、八戒、パー、ペー、一虎
王子:ドラケン
タイムリーパー:武道
終