【呪術廻戦・ハイキュー・文スト短編集】caramel
第1章 秘密【ハイキュー角名倫太郎】
放課後______
角名君に『トイレ行ってくるね』と言って、教室を出た。
トイレで用を済まし、手を洗って教室に戻ろうとすると、「え〜?」という女子の不満そうな声が聞こえて、思わず立ち止まった。
「遊ぼーよ角名くん〜?今日部活ないんやろ?」
「勉強教える予定あるから無理。」
「そんなのどーでもいいやんーな遊ぶ方が絶対楽しいで?」
「俺、好きなコ以外と何かしても楽しいと思わないし、無理だから。」
角名くんがそう言うと、女子二人は不満そうにしながらも去っていった。
それを見計らって『…お待たせ!』と角名くんに近づいた。
角名君は「ん。」と言ってくれたけど、みかの中では少しもやっとした気持ちがあった。
そんな気持ちがバレてしまわないように、『さ!ちゃっちゃとやって早く帰ろ!』となんて、明るく振舞った。
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別に指定した訳でもないけれど、何となくふたりいつも席に座って、角名くんが後ろを向いてみかに教える形になる。
「みか、そこ違う。」
『まだ解いてる途中じゃん!』
「まず使ってる公式違う。」
『えぇ…と……』
「これ。この公式に当てはめて。」
分からないみかを察して、角名くんがノートにサラサラと公式を書いてくれる。
そんなこんなで角名くんに教えて貰いながら3枚目まで来た時にはもう夕暮れになっていた。
『もう、夕方なっちゃったね。……ごめんね付き合わせちゃって。…これ、明日提出に伸ばしてもらおうかなぁ…』
「別にいいけど。明日も教える?」
『教えてくれるの!?あ、でも……』
嬉しくて聞き返した後、脳裏に浮かんだのは先程の女子2人組の姿。
『角名君さ、無理して付き合わなくてもいいんだよ。私に。』
思わずポロッとこぼれた言葉に、「は?」と聞き返す角名君。
ハッとして無理やり笑顔を作った。
『いや!ほらあのさ、さっき女子にも遊びに誘われてたでしょ?私なんかに教えるの、つまらないだろうし…』
自分で言っておいて、悲しくなってしまい、笑いながら少し俯いた。
「俺、楽しいからここにいるんだけど。」
聞こえたその言葉に『え…?』とパッと顔を上げる。