【呪術廻戦・ハイキュー・文スト短編集】caramel
第3章 夢【呪術廻戦五条悟】
学校を出て、街中に向かう。
クレープを食べて、口元に着いたクリームを取り合って。
公園で靴飛ばしをして。笑いあって。
少しお店を見て回ろうかということで、街中に戻った。
___________________________________
なんとなく、目に入ったアクセサリーを眺めていると、なんとなくびびっと電流が走ったように1つのネックレスを手に取った。
それは、ペアでくっつけるとひとつになるタイプのネックレス。
キラキラと輝くそのネックレスには見覚えがあった。
ないはずなのに。見たことも無いはずなのに。
どこか懐かしくて、苦しい。
「香菜?」
その声にハッとする、
「どうかした?」
『え、あううん。なんでもない。』
笑って、忘れるように頭を振ってお店を出る。
次に寄ったのはコンビニ。
なんとなくお店を物色して、スイーツコーナーにあった〝新発売!キャラメルシュークリーム!〟の文字を見て『あ!』と声を上げた。
『げとう!これ!これ…これは…』
〝これ美味そうだよなー!食いて〜〟
〝うわぁ見るからに甘そうだな…〟
あれ……?
誰かが、食べたいって…
私はなにか忘れてる。
なにか……大切なもの……
考えれば考えるほど頭がいたくなってきて、よろりと体がよろけた。
頭を抑えながら横を見れば、今度は煙草コーナーが目に入った。
緑色の箱の煙草。
あれは…いつも誰かが……使ってた…
〝もー〜…ってば、そろそろ煙草やめたら〜?〜…〟
これは…私の声だ。
私は誰に言ってるの?
げとう……げとう……助けてっ…
あれ?
げとうって……下の名前はなんだっけ?
「香菜?」
目の前で心配そうに手を差し出すげとうの手を振り払って、私は外へ走った。
私はなにを忘れているの?
頭が痛い、痛いの。
怖い、怖いよ。
〝香菜、大丈夫だから…俺が傍にいるから…〜…〟
頭に響いたその声にハッとする。
そう、怖い時はいつも誰かが私の傍に居てくれた。
頭の痛みにたえられなくなって、私は道に座り込んだ。