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【呪術廻戦・ハイキュー・文スト短編集】caramel

第3章 夢【呪術廻戦五条悟】



「着いたので声をかけたのですが…」


『ごめんなさい、少し寝不足で。』


「大丈夫ですか…?やはり他の術師を…」


『いえ、大丈夫です。』


「でも…なにかあったら…。私五条さんに言われてるので…」


『平気です!すぐ帰ってきますよ。』


笑ってそう言うと、伊地知さんは少し迷いを見せたが「分かりました。何かあったらすぐ呼んでください。」と承諾してくれた。



歩く私を見守る伊地知さんを後ろ目に手を振りながら、呪いの気配がする校舎へと入っていった。




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呪いを探しながら廊下を歩いて、何十分たっただろう。



どこまでも続く廊下。



きっとここにいる呪いのせいだろう。



寝不足のせいか、ふわふわとする足取り。



頭に響きつづいている声。



もう疲れたなぁ。



頭が痛いな。








「香菜、どこに行くんだ?」







はっきりとした声。




頭に響いていた声によく似ている声。





振り返れば……耳にピアスをつけた…





『げ、とう……?』





「うん?そうだけど…?」



その言葉に、言葉が出なくなって。



私は、その姿に一目散に走って抱きついた。




覚えていない。知らないはずなのに、げとうだって思った。




それでいて、なぜか胸が締め付けられるように苦しくて。




彼を抱きしめないと、消えていってしまうような。




そんな気がして、抱きしめずに居られなかった。





わけもわからず涙を流しながら抱きついた私を、げとうら優しく背中をさすってくれた。




ようやく涙が止まり、ふと周りを見れば学校にいる私。




『あれ……?私任務に……』



「任務?何を言ってるんだい?熱でもあるのかな?」



私のおでこに手を当てて確認するげとう。




そうだっけ……?



私…は、?




「最近忙しかったから疲れているのかもね。休憩がてらに遊びに行こうか?」



にこりと笑うげとうに、私も釣られて笑う。



そうだよね。そうだ私は悪い夢を見てたの。


私は普通の高校生だったじゃない。



『う、うん!遊ぼう!』



胸のつっかえが取れた気がした
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