【呪術廻戦・ハイキュー・文スト短編集】caramel
第3章 夢【呪術廻戦五条悟】
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コンコンと2回ノックしてから、病室のドアを開ける。
ぼんやりとベッドに座る香菜は入ってきた悟を見て少しビクッと肩を揺らした。
「あーさっきはごめんね。僕何もしないからさ、少し話してもいい?」
そう言えば、ほっとしたように肩の力を抜く香菜。
ベッドの隣に椅子を置いて腰をかける。
「(本当に覚えていないんだな…)」
「名前、言ってなかったよね。僕は五条悟。呪術高専の先生してるんだ。呪術高専ってのは、香菜と同じような呪術を扱える生徒たちが行く、呪いを学ぶ場所だよ。」
『呪術、…』
香菜がぼんやりと悟の話を聞く。
「香菜は、これから呪術高専に行くことになった。」
その言葉に目を見開く香菜」。
『私が……ですか?』
「そう。突然でごめんね。でも、〝新しい〟仲間も沢山できるよ。
…大丈夫。香菜なら上手くやって行けるさ。」
そう言って微笑む五条。その顔は少し寂しげに見えた。
『あの、質問いいですか?』
「うん、いいよ。」
『前の私は、その…〝五条先生〟と関わりがあったんですか?』
ドキリとなる悟の心。
「いや、ないよ?」
『じゃあなんで…私の名前知ってたんですか?』
香菜の真剣な眼差しがアイマスク越しに五条を貫く。
「……僕さ、君によく似た同じ名前の人が知り合いにいたんだ。だから、間違えちゃったんだよ。ごめんね。」
気持ちをぐっと堪えて、笑って見せた。
『そうなんだ…』と納得したようなしてないような香菜。
「まぁさ!記憶が少し飛んでるのは仕方ないよ。ずっと寝てたんだからね。…だから、無理に思い出さなくていい。」
その言葉にぱっと顔を上げる香菜。
『…え?』
「香菜はこれから新しい道を歩くんだ。なら、古い記憶は必要ないだろ?だから、いいんだ。」
不安そうに顔を曇らせていた香菜の頭を撫でる。