【呪術廻戦・ハイキュー・文スト短編集】caramel
第3章 夢【呪術廻戦五条悟】
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息を切らしながら、病院に到着した悟は周りを見渡す。
アイマスクを外し、走る。
車椅子の老人を押す子供。
笑顔で車に乗り込む赤ん坊と母親。
その横を駆け抜けて、姿を探す。
と、
病院着独特の青い服。
小柄な茶色いふわふわの髪。
頭を抑えるようにしゃがみ込んだその姿。
あれは………
悟「香菜っ…!!!!!」
ゆっくりと振り返るその彼女。
不思議そうにこちらを見ながら頭を抑えている。
香菜だ。
悟は駆け出していた。
彼女を感じるようにぎゅっと抱きしめた。
涙が滲んだ。
香菜の体温を感じる。
香菜の匂いを感じる。
ずっと待っていたのだ。
こんな奇跡を
ドンッ
突然、強い力で押し返された。
『あのっ…!やめてくださいっ!』
彼女は目に困惑を浮かべ、顔を歪ませていた。
『誰ですかっ…!』
その言葉は悟の中で反響した。