【呪術廻戦・ハイキュー・文スト短編集】caramel
第2章 おにぎり【呪術廻戦狗巻棘】
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『真希ちゃん、お待たせ!!』
真希「おーお前な、電話無理に…っ!?」
真希が振り返り、香菜の顔を見た瞬間、香菜の顔を両手で挟んだ。
真希「お前っその顔…ちょっと寝不足どころじゃねーだろ!」
『平気だよ?元気だもん。』
真希「いやダメだ。お前は休め。顔色悪すぎ、隈濃すぎ。…そこ座ってろ。気分転換になるだろ。」
真希に促され、しぶしぶ近くの木陰に座る。
木陰に座ってぼーっとしていると、ふんわりと暖かい風が吹いて、なにか詰まっていたようなものがすこしだけ風と共に抜けた気がした。
少し遠くで自主練をする(真希にしごかれてる)1年と2年をを見つめる。
みんなたまにこっちをみて手を振ってくれる。
香菜の事情を知っているからか、少し気を使ってくれているのがわかって、みんなの優しさにさらに辛くなる。
自分の弱さに涙が滲んできて、顔を伏せるとふと、隣に影が座った。
びっくりして顔を上げてみれば、棘の姿。
『棘君?』
棘「高菜…」
棘は香菜の顔を見て、手を伸ばしゆっくりと目元を親指で拭った。
『あ、ありがとうっ…棘くん自主練いいの?』
棘「しゃけしゃけ。」
『そっか。』
何も言わずに隣に座る棘。
特に気まずくもなく、なんだか安心する。
きっと心配して気を使ってくれてるんだろうな。
『…私ね。』
棘「ツナ。」
『この間…はじめて人を殺したの、』
棘「ツナマヨ…」
『呪術師やってて、いつかは通らないといけない道っていうのは分かってたんだけど…
…分かってた、はずなんだけどなぁ…』
自分が情けなくて、顔を伏せた。
『その子ね、まだ中学生くらいの子だったんだ…
その子、〝人を殺せば姉ちゃんは生き返るんだ〟って…』
きっと、あの子も必死だったんだ。
わたしがみんなを大事に思うのと同じで、お姉ちゃんのことが大事だったから。
受け入れられなかったのかもしれない。きっとそこに呪霊がつけ込んだ。