第1章 鏡
私の言葉に三人が目を丸くする。
そして慌てたようにミカサが私の両肩を掴んできた。
「本気?危険性がないとは言えないっ…!」
「ミカサっ…落ち着いて…!確かにそうだけど取り外しが出来ないなら仕方ないし…それに置いておいたら前の人が取りに来るかもしれないからっ…」
ミカサの言ってることは分からなくも無いけど…あんなに手入れされた鏡だから…
私の言葉にアルミンは驚いていた目から落ち着いた目と表情になり、考え込むように顎を指先で触る。
ミカサは納得がいかず心配な表情をしながら口を開く。
「っ…!だからって…」
「ミカサ、の言う通り前の人が来るかもしれない。」
アルミンはミカサの肩を掴みながら言う。
「もし前の住人の鏡なら勝手に処分は出来ないし、鏡周辺や奥とか覗いて見たけど何か危ない物を仕掛けてあるとかは無かったから置いておいても大丈夫だと僕は思う。」
「っ…!アルミンまでっ…!」
「落ち着けって、ミカサ。」
焦るようにエレンがミカサの肩を軽く叩く。
「俺もアルミンと確認したけど危ない物は無かったし、もしあったら俺とアルミンで無理にでも引き剥がしてる。」
「っ…エレン…」
「心配なのは俺らだって一緒だ。だけど外せない以上…どうしようもねぇしやアルミンの言う通り前の住人のものなら下手なことはできねぇよ。」
そうエレンが言うとミカサは唇を噛み締め俯く。
私はミカサの肩に手を当て宥めるように撫でているとアルミンはミカサの肩に手を置きながらふと姿見を見つめて不思議そうに言った。