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鏡越しの体温【リヴァイ】

第1章 鏡


受話器越しから聞こえてきたのは、大学の時の友人…エレン。


「無事着いたよ。心配してくれてありがとう、エレン。」


そう言うとエレンは小さく笑い


『心配するに決まってるだろ。無事着いて良かった。』

「ふふ、ありがとう。あ、ミカサやアルミンにも大丈夫って伝えておいて?」

『ああ、あいつらにも伝えておくよ。特にミカサはすげぇ心配してたからな。朝から騒がしかったよ。』


呆れながら言うエレンに私も苦笑いを浮かべ、ミカサの心配模様が簡単に頭に浮かぶ。


「そっか。相変わらずだね。ミカサは。」


パンプスを脱ぎ、スマホを耳に当てたままリビングへと行く。


『ああ。大丈夫だって何度も言ったけど聞かなくてアルミンが必死に説得してたな。』

「ははっ、いつもの光景だね。」

『まあな。それで新居の部屋は良さそうか?』


エレンに問われ、クルリとリビングを見渡し寝室へと足を進める。


「めちゃくちゃいいよ!広いし、窓もあって日当たりもいいし…寝室もね…」


話しながら寝室の扉を開けるともう既に手配してあったベッドが置かれていて。


でも…


『日当たりがいいのはいいな。寝室もそんな感じなのか?』

「あ、、うん…」

『?…どうした?』


なにこれ…?


ベッドのすぐ横の壁に姿見が飾られていた。
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