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鏡越しの体温【リヴァイ】

第3章 再び見る世界


その光景を目の当たりにし、バッと体を勢い良く起こし眠気なんか何処へやらで姿見に釘付けになる。


ちょっ…嘘…でしょ…?


また…あの風景なの…?


心臓が慌ただしくなってふと時計を見てみれば、あの時と同じ深夜の2時を指していた。


どうして…この時間なの…?


疑問に思いながらもボソボソ話が聞こえてくる声に耳を傾けて鏡を見つめる。


昨夜は声すら聞こえなかったのに…今夜は声付き…


でも一体何を話し込んでいるの?


あの男の人の隣にもう一人の…男性。


書類を手に男性が話せば、刈り上げの男の人は眉をグッと顰め何かを伝えている。


穏やかな話し合い…では無さそう。


しかも前は表情とかあまり分からなかったのに今回は割かし距離が近く写っていて相手の表情とか顔付きが分かるくらいに写っている。


この刈り上げの男の人…横顔だけど本当イケメン…。


でも取っ付きにくそうな感じの人だなぁ…。


食い入るように見ていると、刈り上げの男の人が何かキツい事を言ったのか男性が焦り顔の前に手を出してンブンと否定をするかのように振る。


何を言ったんだろう?


声はちょっとだけ聞こえるけど…はっきり聞こえないから分からない…。


その男性の様子を見て刈り上げの男の人は目線を逸らし腕を組み、今度は落ち着いた感じで話し始める。


それを聞いた男性は小さく頷いて書類を刈り上げの男の人に見せながら話をすると、納得したのか刈り上げの男の人は短く返答をした。


男性はホッとしたような表情をし、深くお辞儀をして部屋を出て行った。


…終わったっぽい…?


そう思った時、刈り上げの男の人があの時と同じこちらに視線を向けてきた。
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