第2章 鏡の中の世界
翌朝。
昨夜のことが頭から離れず仕事着に着替えながら鏡を見てみるけど、何も無く私の全身を映し出している。
あの風景は…結局何だったんだろう…
不信感を抱きながらも時計は関係なく仕事に行く時間を指す。
とりあえず仕事に行きますか。
口にパンを咥え、鞄を手にマンションを出た。
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急いで職場に就けば、オフィスにはハンジさんがコーヒーを手にパソコンの画面を見つめていた。
私はデスクに近付いて隣に座っているハンジさんに挨拶をする。
「おはようございます。ハンジさん。」
「…ん!おはよう、。今日は珍しく時間ギリギリの出社だね。」
笑いながら言うハンジさんに苦笑いし椅子に腰掛ける。
「まあ…ちょっと色々ありまして…」
「何かあったのかい?」
コトンとカップが置かれハンジさんは私に体を向け聞く体制に入るけど…
流石に鏡に男の人がいて書類見てました…なんて言える訳がない。
「何かあったというか…夜中々寝付けなくて寝坊しちゃいました。」
ははっと笑いながら自分のパソコンの電源ボタンを押すと、ハンジさんはふむといった感じでじーっと私を見つめる。
「…あまり君の口から寝不足って聞いたことが無いからびっくりしてるけどその原因とかあったりする?」