第2章 イッツマイソウル
「おい、イモ子」
「はい?」
「何しとんねん」
さっきから、カシャカシャうっさい。
寝ようとしてんのに。
「あ、すみません。溜まってたんで、整理してます」
そう言うて、またカシャカシャ。
コイツ、いつもスーパーの袋全部取っとくねん。
節約家言うか、倹約家言うか…
どっちゃでもえぇ。
要はケチやねん、ケチ。
スーパーの袋ある程度溜まったら
縦に2回畳んだら
底の方から三角にして
冷蔵庫の横にかけとるスーパーの袋に入れるねん。
「そんなに袋要るか?」
「要りますよ!今、スーパーの袋ですらお金を払う時代なんです!大っきい袋で5円もかかるんですよ!」
「5円くらい、払えばえぇやん」
「何をおっしゃいますか!たかが5円!されど5円!5円でも、塵も積もれば山となるんです!」
何の話やねん。
払えばえぇやんけ、袋代くらい。
興奮した鼻息でメガネ曇っとるがな。
「生ゴミとか入れたりするにも要りますし!あとはですね…」
「もうえぇわ。ほな、おやすみ」
「あ、ちょっ…」
アホらし。
寝よ、寝よ。
「あ、渋谷さん」
「ん?」
「おやすみなさい」
「ん」
布団入って
暫くしたら、またカシャカシャ聞こえたけど無視して寝たった。