第3章 ワッハッハー
「どうした、イモ子」
「いえ…」
渋谷さんはなんで私に声をかけたんだろう。
拾えって言われて、拾う私もどうなんだろう…
「飯、まずいんか?」
「いえ」
自分の作ったものだから
特別、まずくもなくおいしくもなくってところ。
渋谷さんはパクパク食べてくれるから、ありがたい。
「どないしてん」
「何もないです」
「んなわけないやろ。いつもヘラヘラしとるやん」
ヘラヘラ…
ヘラヘラかぁ…
「そうやって暗い空気出されたら、飯もまずなるやんけ。ただでさえ、根暗オーラ出とんのに」
「…………すみません」
「イモっぽい奴は、笑ってナンボやぞ?笑顔っちゅーのは、どんな不細工でもある程度誤魔化せる化粧やからな」
遠回しに不細工言われてる。
はぁ…イモ子か。
「やから、笑っとけよ。常に」
「はい」
「…………ただし、俺の前だけ限定な」
「えっ…?」
「聞こえんかったんか?もう言わんぞ」
なんで渋谷さんの前だけなんだろう。