第14章 初恋の君と (角名倫太郎)
バスが動き出してしばらくしてから左肩に重みを感じて彼女を見ると再び眠りについていた。
可愛い…!可愛すぎる…!
コテン、て!俺の肩に…っっ!
髪の毛いい匂いする可愛い可愛い…。
あ、ジュースまだ入ってる。飲んでいいかな?さすがにキモイか。いやでもちゃん朝まで起きなさそうだし飲んでもいいよね。
彼女の座席のドリンクホルダーに置いてあるウーロンミルクのパックを手に取ってストローに口をつけた。
俺やってる事やばいかな…待ってキモイよね?
ちゃんが口をつけたストローに今俺が…侑達にバレたら即刻ネタにされるんだろうな。まあでも俺しか知らないし…。
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あー…っ全然寝られなかった。
『んー体いたい…』
「大丈夫?荷物持つよ?」
『ううん、って角名くんクマが…もしかして寝られなかった…?』
「いや、…まあ。」
そりゃ寝られないよね!?
ずっとちゃんの頭が俺の肩にあって、シャンプーの香りがして、理性保つのに必死だったんだよ俺…!
『早くおうち帰ろっか。ゆっくり休んで夕方前に待ち合わせしよう!』
「そうだね」
それから俺は途中まで彼女を送ってからふらふらと実家に帰った。
「ただいま」
「おかあかーん!お兄ちゃん帰ってきた!」
「声でっか。」
「え、てかクマやばいよバスで寝なかったの?」
「寝られるわけなくない?」
「なに、お兄ちゃんてそんな神経質だったっけ?」
「そうじゃねえよ…もういいわ。寝る。」
年子で同じ中学に通ってた妹はちゃんの存在を知ってるし俺が彼女を好きだったことも知ってる。なんなら妹もちゃんのことめちゃくちゃ好いてた。可愛いし優しいって懐いてて、たしか卒業式にジャージ貰ってた。死ぬほど自慢されたっけな。ああ羨ましー。女子同士っていいよな。ジャージくれって言ってもキモくないんだからさ。俺が言ったら軽犯罪じゃんなんか。