第14章 初恋の君と (角名倫太郎)

｢さんに一目惚れしたらしくて結構アピールしてたんだよ。それに押し負けて付き合ったみたいだけど学校でも有名な美男美女カップルって感じ。｣

｢へえ、ふーん。俺勝ち目あんの？｣

｢でもあんまりいい噂聞かなかったよ。あ、彼氏の方ね。｣

｢どういうこと｣

｢浮気っていうのか分からないけど手に入ったら餌あげないタイプっぽくて。他の女の子と遊んだりとかしてるみたい。今に至っては遠距離だから何してもバレないでしょ、みたいな。｣

｢それちゃん知ってるの｣

｢知ってるよ。だから別れた方がいいって言ったしさんが傷つくのは私だって見たくない。｣

喉から手が出るほど欲しいちゃんの彼氏ってポジションを持ってして浮気って何？頭おかしいの？引っ越すから浮気って馬鹿？ちゃんがどこにいようと愛すだろ。は？？？

はなから諦めるつもりなんてなかったけどそんなクソ男が彼氏なら俺が貰う。ちゃんを傷つけるなんて許せない。

｢俺諦めないわ。｣

｢うん、お兄ちゃんファイト！奪いとってやれ！｣

｢それに今は俺の方が一緒にいられる時間長いし。｣

強火担も応援してくれてるし頑張ろ。

｢あーあ、私もさんに会いたいな｣

｢集まる前に待ち合わせするけど一緒に来る？少しくらい会えるでしょ。｣

｢え、いいの！？｣

｢俺は別にいいよ｣

｢じゃあメイクしてくる！服どーしよっかな〜♡｣

目の前にあるお昼ご飯に目もくれず自室へと足軽に戻っていく妹。いやいや俺より気合い入ってない？オタク怖いんだけど。

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｢ねえまだ？もうすぐ出るけど｣

｢もう出れるー！待って！｣

バタバタと部屋を出てきた妹は髪を巻いていて、ちゃんが似合いそうな服をまとっていた。だいぶ時間かかってたけどちょっと会うだけだからね。集まりには連れてけないし。

｢もう行ける？｣

｢行ける！｣

ちゃんの家に向かう道中も隣にはルンルンの浮かれオタクがいて、それを見てるとなんかこっちは冷静になれてありかも。