第14章 初恋の君と (角名倫太郎)
「お兄ちゃーん!お昼ご飯できたー!!」
声…でかいな。
「お兄ちゃーーん!!!?」
「聞こえてまーす…」
もう昼か。結構ちゃんと寝たな。
「お兄ちゃんさ、なんで帰ってきたの?」
俺がリビングに足を踏み入れて一言目がこれ。え、俺の妹冷たすぎじゃない?
「え、バレー部で集まるって言うから帰るって言ったよね」
「それだけ?」
「そんなことでわざわざ兵庫から帰ってくる?」
「なにが言いたいわけ」
「さんも稲荷崎に行ったって聞いてたから。それにお兄ちゃんたちのマネージャーだったし一緒に帰ってきたのかなって思ったの。」
さすが俺の妹。ご名答すぎるじゃん。
「なんでちゃんが稲荷崎来たって知ってんの」
「さんから直接聞いたよ?私高校も一緒だったし」
そうだったわ…こいつちゃん追いかけて高校まで押しかけてる強火オタクだった…。
「え、知ってて俺に教えてくれなかったの!?」
「どうせ知ることになるし良いかなって」
「まあ驚いたけど同じクラスで席も隣だからいいわ」
高校一緒マウントよりこっちのが強いでしょ。
「え、は?は!?なにそれ代わって!!!」
「無理に決まってるだろ」
「で、一緒に帰ってきたの?」
「そうだけど」
「ははーん、だから寝られなかったんだ?」
「うるさ」
「お兄ちゃんまださんのこと好きなの?」
「うん、好き」
「もしかして聞いてないの?」
「なにを」
「さん彼氏いるよ。」
「え…?」
ぇあ、なに。どういうこと…え?
連絡先交換した時の嫌な予感てこれ…?
最悪なんだけど。なんか視界狭くなってきたわ。
「ほんとに知らなかったの?」
「知らなかった…」
「私の知ってることなら話すけど聞く?」
「ぁ、うん…」
妹いわくちゃんの彼氏は同じ高校の3年生らしい。しかもバレー部。じゃあアイコンのジャージ彼氏のだったんじゃん。