第14章 初恋の君と (角名倫太郎)
次の日から俺は毎朝ストーリーにちゃんをあげた。恥ずかしいから顔は映さないでって言われたんだけど当たり前だよね。俺がこんなに可愛いちゃんを誰かに見せびらかすようなことすると思う?撮る写真はいつも顔まで映してるけどストーリーにあげるときは顔から下だけを載せてる。可愛い可愛い表情は俺だけが見れればいい。
#1日1マネ
いつかハイライト作ろうかな。
そんなストーリーも数個溜まってきた頃、ようやく待ちに待った金曜日がやってきた。部活終わったら家帰って荷物もって集合って約束。
「なんや角名えらいそわそわしてるやん」
「知ってて言ってるよね?」
「え、ちゃんと愛知帰るからそわそわしとるん?」
「それ以外に理由ないよね。てか緊張しない方がおかしいから。」
「好きな子やもんなあ!」
「銀ほーんとに静かにして。」
緊張なんかするに決まってる。好きな女の子とひと晩かけて地元までって結構距離あるし。ああどうしよう心臓ばくばくしてんだけど。
『角名くん?体調悪い?大丈夫?』
「え、あ…ううん絶好調だよ」
『…っあ、本当は行きたくなかった、とか…?強引に誘っちゃったよね私…ごめんね。』
「いやいや違うよ待って。行きたいからほんとに。」
『ほんと…?無理してない?』
「ほんとに行きたい。ほんとのほんと。」
『…よかったぁ。』
緊張しすぎて心配かけてるよ俺…。
でも緊張しないとか無理だしどうするこれ。
カッコイイところを見せたい一心でなんとか練習を乗り越えて気付けば俺たちは帰路についてた。
「気ぃつけて行ってくるんやで!お土産忘れんといてな!」
『ありがとう侑くん!また月曜日ね!』
「角名頑張ってな!!」
「銀うるさい!」
「冷たすぎるやん」
「月曜話聞かせてな角名ァ」
「治もうるさい早く行ってもう」
「おん、またな。うまいもん買ってきてな。」
「分かったから!じゃあね!」
茶化すだけ茶化してほんとにアイツら…!
『お土産なにがいいかな。やっぱ手羽先味のじゃがりことか?』
「あ、うん定番だよね」
前々から思ってたけどちゃんて多分鈍感なんだろうな。今だって銀たちがあんなに茶化してたのに全然気づかないどころかお土産のこと考えてるんだもんなぁ。